500年めの祝祭に 恐るべき子供たちは赤い絵の具を手に塗って 禁じられた遊びに耽る わたし欲しいものがあるのよ 3つほど ひとつは赤色、 ひとつは血潮、 そして2つを煮詰めて作った紅茶。 あっちこっちから集めてこさせたの、飽きることなくそればかりを なぜならわたしの紅茶のカップはすぐに乾いてしまうから どれだけ飲んでも満たされず、 わたしの喉はいつもかっらから ねえおいでよ、おいでなさい、そしてわたしに紅茶を注いでちょうだい。 欲しかったのよ、赤色が 人ごろしの瞳(め)のルビー、百年もののワイン、憤怒と陽気のパステルにある色彩を。 眠りを知らず騒々しいあなたたち 瞳の奥で踊りまわり、いつもわたしの心をかきたてるから――大好きだわ、赤絵の具 けれどいっとう素敵な色はここになく、お空の上でわたしを馬鹿にする――大嫌いな、太陽さん。 だからわたしは奪ってやりたいの、あの太陽(ひ)の色を。 ねえ、わたしの願いをきいて くびを切ってきてちょうだい、わたしの首切り職人 世界の日時計が止まろうとあのお空の首を切って 盗んだ雫でわたしを彩って。 これも欲しかったわ、血潮 体に籠る火事、液状化したフェニックス、傷口より噴くプロミネンス 「熱病」よりもずっと熱い「熱情」の炎――これはものすごい大火事! ふれる端からなにもかもがまっ黒焦げ、 だけどわたしが手にするころにはほとんど冷めてしまって、 ほんのひと雫でわたしの体は燃えるけど、ちっとも長持ちしてくれないの。 あなたとの逢瀬はいつもひと時ばかり、 接吻(くちづけ)のあとはすぐに冷えて「退屈」にこり固まる。 血潮をもっとちょうだいな、わたしの体を休まず燃やして 「熱情」をもっとちょうだいな、わたしの「退屈」を溶かすほど。 最後にわたしが欲しいのは紅茶 ミダスのように貪欲なわたしの渇き、満たしてくれるお茶は特別製 色はいっとう深い赤――さながら太陽(ひ)のようで 飲めば舌の上はいつも大火事――血のように熱い それでも喉はすぐにまた渇いて紅茶は叫ぶ――なにもかも足りてない! 紅茶の飲みすぎでいまではわたしの夜は「不眠症」 お目めは兎のようにまっ赤か わたしの世界までまっ赤か そうなってもまだ、呪文を唱えてわたしはつぎ足し続けてる 紅茶よ赤く熱くなれ、それこそがあなたの運命(さだめ) またカップが乾いて空になったから 色とりどりのエトランジェたちが血潮を集めて運んできた 太陽(ひ)から奪い取った素敵な赤色はわたしの指先をつたって 紅茶は深みを増しました わたしのファム・ファタルにふさわしい色合いへ。 月夜の水鏡に映るのは、運命の恋人 カップに沈くこれは、わたしの幻 ねえ接吻(くちづけ)て、わたしに注いで飲み干して この赤い歓楽の中で溺れ死ぬ喜びを分かちましょう それまで待っているからこの中で、あなたがやってくる日を。
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