幻想に生きる少女たちは、花のように美しかった。
春の夜に、桜と舞う少女と出会った。
夏の夜に、星のように輝く少女と出会った。
秋の夜に、月から逃げた兎と出会った。
冬の夜に、夜に咲く少女と出会った。
彼女たちは、美しかった。
咲いてゆくから、美しかった。
夏の日に、妖怪を救う少女と出会った。
秋の日に、神を信じる少女と出会った。
冬の日に、神を喰らった鴉と出会った。
春の日に、美しい少女と出会った。
彼女たちは、美しかった。
散っていくから、美しかった。
咲き誇るは花の定め。
舞い散るは花の運命。
四季を廻り、
夢を廻り、
幻想の世界で、
風見幽香は、旅をする。
彼女のゆめを、探しながら。
「はなさくゆめ」
C79(12月30日) A-55a「四面楚歌」
新書変形 356頁 フルカラーボックス付き
頒布価格 1500円
著 人比良(四面楚歌)
絵 高虎(YAYUYO)
原作 上海アリス幻樂団
(敬称略)
メロンブックス様で専売予約して頂いています。
向日葵のような少女は言う。
「幽香。お前が咲くところを見たいんだよ」
花のような少女は言う。
「幽香。貴女って、何の妖怪なの?」
そして。
花を愛する少女は、別れを告げる。
「また、ゆめであいましょう」
すべては はなさくゆめの ものがたり。
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