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 ――ある時、都市伝説を聞いた。
 見知らぬ番号から形態にかかってきたら、出てはいけない。
 それはもしかすると死んだ女の子の形態番号かもしれないからだ。その子は死んだ後も亡霊となって電話をかけ、その電話に出ると、出る。





  追憶/都市伝説 Call [Me/You]




 トゥルルル、と。
 コールの音は、十三回。
 見覚えのある番号からの電話だった。
 少女は携帯の通話ボタンを押す。


「はい、もしもし」
『あ、もしもーし。聞こえるー?」
「……久美子?」
『うん、久しぶり。元気してた?』
「元気元気。久美子は最近どう?」
『うーん。色々あったけど、まあ大丈夫そーかな』
「色々? そういえば、久美子の学校って最近……」
『そーそー。なんか市の何たらで、大幅入れ替えがあったのよね。あたしたちからすれば迷惑なだけなんだけどねー」
「大変だね、それって。なんでだろ?」
『さーね。お偉いさんの考えることは、あたしたちにはわかりません、っと。それよりさー、法子の方はどうなのよ?』
「私? 私は――特になにもないよ」
『なにもぉ? なんか、面白いこととか、面白い話とかないの?』
「そうね……あ、そうそう。面白い話なら」
『なになに! どんなの?』
「久美子好みの話よ」
『ってことは、オカルトね。……最近なんかあって懲りたような気がするんだけどね……』
「聞かない?」
『聞く聞く! 好きなことには変わりない、ってね。んで、どんな話?』
「えっとね……なんか、見知らぬ番号から電話がかかってくるんだって。その電話は死んだ女の子からの電話で、もし出たら《出る》んだって」
『へー。いかにも、だね。リカちゃん人形の派生系みたい』
「そうなの?」
『そうなの。昔から言うでしょ? あたし、リカちゃん。今あなたの後ろにいるの――ってやつ。あたしも昔、それで遊んだことがあるけど』
「遊んだって?」
『友達相手にそれをしたみたのよ』
「あ、ひどい!」
『昔の話だってば。ま、相手はすごく怖がってたけど』
「それでもひどいよ〜」
『わかってるわかってる。さすがにもうしないって――』


 トゥルルル、と。


 電話の向こうで、電話の音。
 キャッチホンだと、少女はすぐに気付いた。
『ちょっと待ってね』
 少女の声とともに、ぷつ、と回線が切り替わる音。


 一秒。
 二秒。
 三秒。
 四秒。
 五秒。
 六秒。
 七秒。
 八秒。
 九秒。
 十秒。
 十一秒。
 十二秒。
 十三秒――


『お待たせ――うわああ!!』
「ど、どうしたの! 久美子!?」
『で、出た! 出た!』
「久美子! 久美子!? 出たって、何が!!」
『出た――なんちゃって』
「……久美子?」
『いやさー、見知らぬ番号から電話がーとか話すから、つい」
「……ひょっとして、騙したの?」
『まー、ちょっとした演技? ごめんね』
「馬鹿! 本気で心配したんだから!」
『だから、ごめんって――」


 ぷつ、と。
 回線が切り替わる音。


「久美子?」
『…………』
「……くみ、こ?」
『………………なに、かな』
「久美子、だよね……?」
『うん、そうだよ。私だよ』
「《私》……?」
『うん、私。私だよ――』
「……久美子、じゃないの――?」


 少女は、携帯を耳から離す。
 液晶の画面を見る。
 画面に映った番号は、見知らぬ番号だった。


「だから、私だよ――」


 電話越しではなく。
 真後ろから、声がした――

 



                                     END

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↑作品を面白いと感じた方、押していただければ幸いデス↑
 次回のやる気につながりますので……感想、ひと言遠慮なくどうぞ。


◆あとがき◆



追憶第二段。やはり連作になりました。
というわけで、犬の次は魔女でした。
結構意外――なのかもしれないけれど。
あやめと陛下は、少し長くなりそうなので保留。

作品について。
携帯電話の普及って結構怖かったり。
距離が零になってしまうのだから。
ナニカの漫画に、電話は呪術を伝える――とあったけれど。
携帯電話なら、それこそ携帯できるわけで。
便利な反面、こういうオカルテリックな一面も。
一番怖いのは人間ですがね。
あなたの電話には、見知らぬヒトから掛かってきませんか――などと言いつつ。

では。



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