水前寺の夏・後編



 屋根に誰かが座っている。
 旭日祭の準備に賑わうグランドを見下ろしながら、園原中学校第四防空壕の屋根の上で誰かが座り込んでカップ麺を食っている。
 無精髭を乱雑に生やして、よれよれのシャツを着て、今にも死にそうな顔色でゲロでも食うような表情でラーメンをすすっていた。
 榎本だ。
 一年後、まったく同じ場所でラーメンを食っていた榎本が、そこにいた。
 それがまるで義務であるかのようにカップ麺を食い、やがて義務であるかのようにフクロの中にそれを戻す。
 血が混じった胃液を見て榎本は乾いた笑いを浮かべる。
 限界だ、と榎本は自分でも思う。
 エリカ・ブラウドフットが死んでからの一ヶ月、榎本は死ぬほど忙しかった。
 正しく言えば、今でも忙しい。更に言えば死んだ方が楽になれると思う。
 伊里野が壊れた。
 そのことが榎本の心労になっていた。地球を救える唯一の――ついにただ一人となった少女、伊里野加奈が壊れた。
 ボロボロになってエリカを待ち続けた挙げ句に、幽霊とお話しするようになった。
 元々壊れていたのかもしれない、とも思う。
 誰もがそのことに気づいていながら、気づかないふりをして伊里野を無理矢理戦わせていただけなのかもしれない。
「……長くねーだろうなあ……」
 聞く人のいない呟きは夜空へと消える。
 その「長くない」が、果たして自分のことなのか、伊里野のことなのか、世界のことなのか。
 榎本にはわからない。どれでもあるような気がするし、その全てのような気もする。
 近い将来、世界は滅びるだろう。
 長く持っても、一年。
 短けりゃ明日にでも終わる。伊里野が死んだらそこれで終わりだ。
 ぎりぎりの命綱をわたり続けている男は、今、三つ目のカップ麺に湯を注いだ。
 校庭で誰かが「根性――っ!!」と叫び、その声に重なるようにいくつもの「根性」が飛び交う。
 ――根性だけで救われたら苦労はしない。
 根性出すだけで何かが変わるなら自分たちはとっくにこんな戦争から手を引いているはずだし、伊里野だって普通の中学生として学校に通っている。
 榎本は夢想する。伊里野が学校に行けるような世界を。
 きっとあの性格だからたいていの人間からはハブられるに違いないが、それでも少しくらいの友人は出来るだろう。伊里野と友達になってくれる奇特な奴が一人か二人はいるかもしれない。そうして伊里野は学校に通い、授業を受け、友人とボーリングに遊びにいったり部活に入って取材に行ったり定食屋に友達といったり好きな奴ができてライバルの女の子と戦ったり、
 馬鹿げた夢だ。
 ――観測気球のケツでも舐めてろ。
 理不尽にそう毒づいて、榎本は腕時計を見る。
 カップ麺が出来るまであと二分。榎本は柔らかめが好みだ。
 残りの二分の暇を、榎本は思考で潰す。
 学校に来たのは、別に木村や椎名真由美から逃げてきたわけではない。
 興味がわく少年がいたからだ。
 二年の――水前寺邦博。
 面白い奴だと思う。卒業したら勧誘してやってもいいかもしれない。
 外見も中身も中二とは思えない。異様な行動力を発揮し、探究心も危険への備えもある。頭もかなり回る。
 初め、『黒服』を調べられてるガキがいる――と保安四課から言われたときには馬鹿にした。
 夏休みの宿題でもやってるのかと思ったからだ。
 全然違った。
 水前寺は本気で全てを暴くつもりなのだ。実際、かなりヤバいところまで食いつかれそうになった。
 悔やむべきは――人生経験がまだ浅いこと。
 それ故、部室への侵入を許してしまい、肝心なことを調べれないという結果に終わるのだ。
 とはいえ――
 凄い奴ということは確かだ。来年はさらに力強くなって帰ってくるに違いない。今回の分の失敗を反省して。
 幽霊が出ると噂のトイレにある隠し通路や、ブラックマンタの存在まで、いずれは暴かれるかもしれない。
 まあ、そのときはそのときだ、と榎本は諦める。
 そうなるときまで、世界が残っていれば僥倖だ。
 三分が過ぎた。
 榎本はカップ麺をあけ、死体のような風体で、死体のような顔つきでカップ麺をずるずるとすする。
 その口元は、ちょっとだけ笑っている。


          ◆


 榎本が三つ目のラーメンを食い終わるころ、水前寺は部室に戻ってきた。
 旭日祭を前にしたこのクソ忙しい時期に何をしていたのかと言えば、芹沢美由紀と飯を食いに行っていたのだ。
 芹沢が『臨時顧問』になってからは、水前寺は芹沢とほぼ毎日夕食を食いに行っている。
 太陽系電波新聞部における芹沢の仕事というのは、単純な労働や水前寺の手伝いだけではない。
 最も必要とされる仕事は、放っておけば全てを放り出して仕事をしようとする水前寺のストッパーになることである。
 事実、芹沢が注意しに来なければ水前寺は食うものも食わず寝ることもなく延々と作業を続けていただろう。
 いくらなんでもそれは不健康だ、と芹沢は言うのだ。
 というわけで、最近の芹沢の行動は、朝に水前寺を授業へと引きずり出し、昼に水前寺の昼食を買いに行き、授業が終われば水前寺の手伝いをし、水前寺と夕飯を食べて家に帰る、ということの繰り返しだ。
 まさに水前寺づくしの一日である。水前寺が関わらない時間は家に帰って寝るときくらいしかない。
「今日の夜の泊り込み? 邦博くんは家に帰らないの?」
「その通りだ。旭日祭は明後日、やるべきことは山とある。家に帰ってのうのうと休むわけにもいくまい」
「……先生もいたほうがいいですか?」
 水前寺は鼻で笑い、
「芹沢臨時顧問、飯食いながらうとうとするようなら家に帰ってゆっくり寝ていたまえ」
「むーっ。ちょっと疲れてただけです、別に子供みたいにこの時間に寝ているわけじゃありません!」
 夕食の場でのことを掘り返され怒る芹沢に水前寺は言う。
「ならばこそ、ゆっくり家で休みたまえ。なに、浅羽特派員もすぐに風呂から帰って来る。彼と二人で充分に終わるとも」
 軽い口調で言って、水前寺は部室の鍵をあけドアノブに手をかける。
 開いて中に入った。
 猛烈な違和感。
 部室の中は混沌の極まりだ。芹沢が臨時顧問になってからこまめに片づけているとはいえ、その何倍もの勢いで水前寺と浅羽が汚していく。旭日祭が近づくにつれて芹沢も片づけることを諦めるようになり、今では何処に何があるのかわからないくらいに散らかっている。
 誰かが部室にこっそりと侵入して何かを探したとしても、何かを持っていったとしても、絶対に気づかれないだろう。
 相手が水前寺で無ければ。
 水前寺は扉の前で立ち止まり、違和感の正体を探る。
 間違い探しが始まる。
 混沌の部屋に紛れ込ませてあった水前寺式暗号「ちらかし君」が崩れている。ゴミ箱の位置と角度がずれ、床に落ちたエンピツの数と位置も変わっており、ぬいぐるみの向いている方向も違う。他にも探せばいくらでもあった。
 疑うのを通り越して、確信を持った。
 誰かが、部室に忍び込んだのだ。
「……芹沢臨時顧問。昼以降に、部室に入ったかね?」
 在り得る。それならまだいいと水前寺は思う。
 芹沢臨時顧問は「ちらかし君」の存在を知らず、掃除をするか座る場所を作ろうとして物をどけることだってあるからだ。
「いいえ? ほとんどずっと邦博くんと一緒にいたじゃないですか」
 背中越しに聞こえてくる芹沢の言葉は、嘘とは思えなかった。
 それに、芹沢の言うとおり授業中をのぞけば水前寺と芹沢は常に一緒に居る。
 わざわざ部室まで来る理由も、時間も無い。
 生徒か教師か――それ以外の誰かが、自分の居ない間に部室の中に入ったのだ。
「? 中に入らないの?」
「芹沢臨時顧問、非常事態だ」
 水前寺は部室内を大股で歩き、三歩で壁際までたどり着いて物の山をひっくり返した。
 資料は全てあった。
 作成途中の展示物も、壊されることなく置かれていた。
 無くなったものは、何もなかった。
「非常事態って……何があったんですか?」
「侵入者だよ。何者かが部室にこっそりと忍び込んだらしい」
 そのひと言に、芹沢の声が物凄く動転した。
「し、しししし侵入者って、泥棒ですか!? け、警察に電話を――」
 部室から飛び出そうとした芹沢に向けて水前寺はむしろのんびりとした口調で言う。
 周りの人間がパニックになってくれると落ち着けるのだ。
「まあ、無駄だろうな。見ての通り証拠も何も無いし、盗まれたものも無い。悪戯と思われるのがオチだろう」
「――何も、盗まれてないんですか?」
 ぴた、と動きを止めて芹沢が言う。
 水前寺はやれやれ、とばかりにため息をついて、
「何も、だよ。どうやら侵入者は、太陽系電波新聞部の活動状況が知りたかっただけらしい」
 侮辱だと、と水前寺は思う。
 その何者かは侵入して資料をあさり、これならば発表されても問題ない――と見切りをつけたのだ。
 だから、何もしなかった。資料を盗むことも釘をさすことも。
 ひょっとすると相手は、侵入の事実を気づかれてない、とすら思っているかもしれない。
 耐え難い侮辱だった。
 そして、誰かが忍び込むかもしれないと考えず、対策すら立てなかった自分に腹が立った。
「……いったい、誰が?」
 芹沢の疑問に水前寺は簡潔に答える。
「黒服」
 ――つまりは、園原基地の誰かだ。
 が、芹沢の返答は水前寺の気持ちと正反対のものだった。
「よかったじゃないですか!」
「――は?」
 間の抜けた声をあげて、水前寺はゆっくりと振り向く。
 視線の先、芹沢は笑っていた。
 悔しさなど微塵も感じさせない、本気でよかったと思っている顔だった。
「――何を言っとるのだね君は?」
「あ、邦博くん先生を馬鹿にしてますねーっ? 侵入されてどこがいいんだって顔してます。前々から思ってたけど邦博くんって結構感情が表情に、」
「それはいいですから。で?」
 芹沢はえへん、と威張って胸を張り、

「――だってそうでしょう? 展示の内容が増えましたよ、『黒服に侵入された』って」

 ――考えもしなかった。
 芹沢は得意げに続ける。
「きっとうけますよー。邦博くんお得意の文章で思いっきり煽れば、黒服が身近にいるんだってきっとみんな思いますもん。貴重な体験例ですよね?」
 どうだすごいだろーまいったか、という顔を芹沢はしている。
 水前寺はただぽかんと、その顔を見ている。
 侵入されたことと自分の未熟さに腹が立っていて、そんなこと考えつきもしなかった。
 同時に、ふとした疑問が浮かび上がる。
 自分の中でかってに決め付けていた、とある事柄に関する疑問が。
 水前寺は躊躇無くそのことについて芹沢に質問する。
「……芹沢臨時顧問は、何故おれのことをそんなに気にかけるのかね?」
 芹沢の動きが止まる。
 マンガみたいにでっかくて丸い目が、水前寺の瞳を覗き込む。
 何を言ってるの――とその瞳が語ってくる。
 水前寺は臆さない、
「貴方にとっては自分はただの一生徒に過ぎないはずだ。臨時教師の身で、どうしてここまで自分に付き合ってくれるのかね?」
 芹沢の瞳が揺れる。不安げな声で、
「先生、邦博くんの迷惑になってますか?」
「違う。芹沢臨時顧問のここ最近の手伝いはありがたすぎるほどだ」
 それは本当だ。
 芹沢が居なければ展示は終わらなかっただろう。例えば今だって、芹沢のひと言が無ければ自分は徹底的にくじけてしまい再起に時間がかかったはずだ。単純な労働面での問題も含めて、事実、芹沢は実によく働いてくれた。
 少数精鋭とは言え、部員はあと一人は必要だ――と水前寺は思う。
 が、それは今は関係のない話だ。
「だからこそ、そうまでしてくれる理由がわからないのだよ」
 水前寺邦博は理屈で物を考える。
 臨時教師としての株を上げるためだとか、生徒との交流だとか、興味本位だとか。理屈で納得できるような理由があるならいい。
 が、どう考えても芹沢は損をしているのだ。特になるようなことはほとんど無く、自分の時間と金を浪費している。
 浅羽特派員のように。
 そしてそれが、何故か嬉しい。
 芹沢は、ふっと一瞬だけ笑った。
 容姿は全然違うが、その笑い方は少しだけ姉に似ていた。

「いっつも楽しそうにしてるのに、一緒に楽しんでくれる人がいない邦博くんが寂しそうに見えたんですよ。理由と言えるのは、それくらいです」

 ――気づいた。
 嬉しい理由。
 自分が芹沢美由紀に対して抱いている感情に。
 水前寺は普通の人間なら考え込むなり躊躇するなりすることを、まったくしなかった。
 普段と同じ声色で、
「芹沢美由紀」
「はい?」
 返事というよりは、初めてフルネームで呼ばれたことへの疑問のような声。
 水前寺は構わず言う。
「好きだ」
「――へ?」
 スキって農作用具だっけ――芹沢はそんなことを考えている。


 芹沢が言葉の意味に気づくまで、たっぷり十秒かかった。
 その十秒間を、水前寺は清々しいくらい晴れやかな気持ちで待っていた。
 口に出してみれば、何のことは無かった。
 ようするに気に入ったのだ。ここ数日一緒にいただけの、芹沢のことが。
 よく考えればこれが初恋なのだろう。
 普通の人間とは大分違う気もするが。
「え、その、す、好きって……本気ですか?」
「冗談を言っているように見えるのかね? だとしたら今すぐ眼科にでも行きたまえ」
 その言葉に芹沢は傍から見ていてみっともないほど狼狽する。
 上見て下見て左右見て水前寺を見て手と足を無意味にばたばたさせながら考え込み、
 ぴた、と動作が止まる。
 水前寺の瞳を覗き込んで。
「……先生と生徒ですよ?」
「臨時顧問と水前寺邦博だ。問題ない」
「……先生の方がずっと年上ですよ?」
「すぐに追いつく」
「そのときには先生も歳とってますけど」
「構わん」
 水前寺はあくまで不敵に笑う。
 自分の理屈に間違いは無く、感情に勘違いは無い――新入生を騙すその笑顔で水前寺は言う。
「ようは、芹沢臨時顧問の気持ち次第だ」
「私――私は――、」
 芹沢は再び狼狽する。
 自分の気持ちがわかっていないのか、突然言われて混乱しているのか。
 今結論を出せというのは酷だろう、と水前寺は思う。
「返事は今すぐとは言わん。……そうだな、芹沢臨時顧問は旭日祭には来るのだろう?」
「う、うん……」
「旭日祭二日目に、最大の見物であるファイアーストームとフォークダンスがある。返事が応ならおれと一緒に踊って欲しい」
 言いたいことを全て言って、水前寺は作業に戻った。
 芹沢に背を向け、展示の用意にかかる。
 もしかしたら水前寺なりの照れ隠しなのかもしれない。
 芹沢の方を向くことなく最後に付け加える。
「十八時四十五分に、部室長屋の前で待っている」
 それきり、水前寺は後ろを振り返らない。
 何も言わない。
 ここにいるのもよし、帰るのもよし――その背中がそう物語っている。
 芹沢も何も言わない。
 何も言わないまま、踵を返す。
 扉が開いて閉まる音で、水前寺は芹沢が立ち去ったことを知った。
 最後まで、振り向かなかった。



        ◆



 旭日祭前日。
 全ての準備を、水前寺は浅羽と二人でこなした
 芹沢美由紀は、部室に顔を見せなかった。



        ◆



 それから後の記憶はあまり無い。
 旭日祭は賑やかだったように思う。
 部の展示も賑わったような気がするし、クラスメイトの木内と屋台めぐりをしたような気もする。浅羽と演劇を見て野次を飛ばし、自衛官のおっさんのところで射的をしたような記憶があるにはある。
 が、そのどれもが曖昧だった。
 実は旭日祭なんて幻で、ついでに世界全てが幻で、自分は生まれてから今この瞬間までここにいるのではないか。
 部室長屋前、ファイアーストームを眺めながら、水前寺はそんなことを考える。
 左手にはめたごっつい腕時計に目をやる。
 十八時四十二分。
 ファイアーストームが始まるまで、もう数分しか無かった。
 四十五分きっちりに、グランドに見えるあの櫓に火がつけられ、歌と踊りで旭日祭が終わる。
 約束の時間まで、あと三分。
 ――来るのだろうか。来ないのだろうか。
 水前寺は目を閉じて考える。
 来るような気もするし、来ないような気もする。自分は限りなく本気であり、その本気を得芹沢が判ってる以上は相手も本気で返事を返してくるだろう。
 突然あんなことを言われて、芹沢はどう思っただろうか。
 やはり驚いただろう。生徒からいきなりの告白だ。
 そもそもよく考えてみれば、自分は芹沢のことをほとんど知らない。知っているのは名前と役職だけで、住所も年齢も出身地も趣味も何も知らない。
 そして、それは相手も同じなのだ。『水前寺邦博』という名前くらいしか知っていることはないだろう。
 けれど――それで充分な気もする。
 旭日祭の準備期間、彼女と交わした時間で、充分だと思う。
 それだけで、相手がどんな人間なのか、水前寺は判っていたから。
 ――来ないだろう。
 芹沢は真面目で、本気で相手をしてくれる。
 だからこそ、ここには来ない。
 そんな気がする。
 生徒と教師。大人とガキ。そんな社会的な問題だけでなく、そもそも恋愛の対象ですらないのだろう。
 そんな相手に、「お友達から」とか「まあいいか」とかいう理由で返答する相手とも思えない。
 もしそんなことを言ってくるようなら、一発ぶん殴って帰ろう。
 水前寺は男も女も宇宙人も差別しない。対等の人間として付き合うのみだ。

 ――歓声が上がった。

 運動場の中央で、炎が弾けた。
 軽快で愉快な音楽が備え付けのスピーカーから流れ出す。
 炎の周りで円を組んで男女が踊り、その円を囲むようにして見物する生徒の輪が出来ている。
 旭日祭に参加した誰もが、その炎と踊りを見ている。
 水前寺はもう一度腕時計を見る。
 時間は、十八時四十五分を過ぎていた。
 そして、悟った。


 ――芹沢美由紀は、ここへは来ない。


 そうわかってしまうと、むしろすっきりした。
 もうこれ以上期待して待たなくていいのだと思うと、晴れ晴れとした気分だった。
 全身から力が抜けて座り込む。
 部室長屋を背に座り込み、ファイアーストームの炎を見ながら、スピーカーから流れ出るマイム・マイムの音楽を聴きながら水前寺はとあることを思い出す、

 


 ――マイム・マイムは雨乞いの踊りだ。





 多くの祈りと踊りによって、水前寺の心に雨が降る。
 勢いを増す火の手と踊りを、水前寺はいつまでも見ていた。
 いつまでも、いつまでも、独りきりで見ていた。

 頬を伝う滴の、冷たさを感じながら。










◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

あとがき。
伊里野の空・UFOの夏 アニメ化記念。
水前寺の夏・後編でした。


↑作品を面白いと感じた方、押していただければ幸いデス↑
 次回のやる気につながりますので……感想、ひと言遠慮なくどうぞ。


ファイアーストーム嫌いと初恋の人で話を書こうと思い、
気がついたら榎本が出てきてました。
クラスメイトの木内はサージャント木内で。確か同学年。
案では芹沢美由紀は旭日祭中に黒服にさらわれて記憶を洗われて待ち合わせにこない、というのもあったけど。
何故来ないかは想像に任せることに。
一番書いててたのしいのは榎本かもしれません。


ミナミノミナミノにも大期待。
デストロイの季節が早く来て欲しいです。

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