1 | 魔女は死を夢見る |
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0 しらないしなない。 1 百年前に何があったのか知ることはできるけれど百年後何があるのか知ることはできないというのは間違いだと思う。ただしい手段と方法と手順さえ踏めば、過去を知るように未来を知ることができる。むしろ残し手の意思が必ず影響してしまう過去よりは、未来のほうがわかりやすいともいえる。極論すれば過去にあるのが生で未来にあるのが死――だなんて馬鹿げたことをいう気はないけれど、それが真理の一面をついていることは確かだ。真理のすべてではないが、欠片ではある。真理の影とどちらが重要かは悩むところだけれど、そもそも真理がわかる者などいないだろう。先を予想し予測し知ることはできるけれど、本当に知ってしまったものは発狂するか死ぬ。過去の決定にも未来の決定にも耐えられない。知る必要のない膨大な情報を得て正気でいることなど人間にはできない。できるとすれば、はじめから壊れているとか、人間ではないとか、 魔女、とか。 要するにそういうことなのだろう。私、パチュリー・ノーレッジが、その知識から未来を予測しえても、悲観してしとねを濡らすことをしないのは、魔女だからに他ならない。現に私は今ここにいる。百年前そうだったように。ここにいるということは、百年間生き続けた証拠に他ならない。 百年間、私は生まれた。 そして―― 私は予測する。 私は予想する。 私は、知る。 百年後、私は生きていないだろう。 2 天気が悪い。紅魔館の外では燦々と雨が降り続いている。太陽も月も薄暗い雲の向こうに隠れてしまっている。太陽が見えないことを友人は――吸血鬼の主――は喜ぶだろうし、同様に月が見えないことに不満を表すだろう。その感情の変化は好ましく思える。あけすけのない、傲慢で不遜な血を吸う鬼。まるで少女のようだ。私の数倍も生きているのに、そういったところは出会ったときから変わりない。 いや、 そもそも。 彼女は生きているといえるのか、少しだけ疑問に思う。吸血鬼。ノーライフキング。不死者の王。ノーライフキング。 死せる王様。 彼女は生きているのではなく、死に続けているのではないかと、そう思った。 3 雨が続いている。今日は若干風があるのか、雨粒が窓や壁にぶつかって僅かに音を立てている。紅魔の館、というだけはある。壁にぶつかった雨雫は、その色を紅に染めて堕ちていく。空のような水の色は、光を遮られて灰色になり、壁に触れて紅になる。化学変化や五行を思い出させる変化で、少しだけ面白い。何か新しいスペルカードを思いつくかと少し思索に身をゆだねてみたけれど、特に何も思いつかなかった。いつか、この景色を発想に新しいものができるかもしれない。そのときまで、頭の隅の方にしまっておこう。 思考を切り替える。本と本棚に囲まれた私の王国にまで、雨の影響は出てきている。見かけ以上に広いという不思議な館にあってなお、自然現象は完全に切り離せないらしい。空気がどこか粘質を帯びている。湿気が多い、というよりは、薄く張った水の中で生きているようなイメージ。 すごしにくくはない。 むしろ、過ごしやすいほどだ。 空気が湿っているということは、埃が飛び立たないということだ。図書館に埃はつき物で――むしろ憑き物といった意味あいが強いけれど――それは喘息を持つ私にとっては、ある種致命的となりかねないものだ。そう、それこそ、スペルカードを満足に唱えることができないほどに。 喘息。 息ができない。 咳が出る。 つまりは、病気だ。体機能に不健全な部分がある、そういうことだ。壊れかけた機械のように。壊れた機械のように。機械のように。人間のように。 不便なのだろうか。わからない。 けほん、と咳が出た。埃は沈殿しているはずなのに。きっと、喘息のことを考えていたせいだろう。私は思考を、無理やり外の光景へとスウィッチした。 相変わらず、雨が降っている。 4 雨がやまない。薄く張った水は、いまや透明のゼリーのようになった。湿気が多すぎるのだろうか。空気が無色透明無味のゼリーに変わってしまったような、連然とした想像をしてしまう。水の中を泳ぐ魚は、常にこれ以上の重圧と戦っているというのだろうか。幻想郷には海がないけれど、なくてよかったと少しだけ思う。もしも海があれば、絶対に一度は異変が起きて幻想郷は海に沈むだろうから。 そんなことになれば此処にある貴重な本はすべて取り返しのつかないことになるだろうし、私自身も海の底で漬物石のように動くことも適わなくなるだろう。 宇宙へ行きたいと思った。 兎や宇宙人がきたと言われている宇宙には、何ひとつとして物がないらしい。いや、物はあるのだが、物がない空間は空っぽで満ちているという。一度といわず二度といわず、その宇宙へと足を運んでみたいものだ。埃のない世界ならば、喘息も少しは落ち着くだろうか。 もっとも、あの頑強な結界がある限り、宇宙どころか幻想郷の「外」に出ることすら出来ないけれど。知識を愛する私にとって、あの結界は邪魔者以外の何ものでもないけれど、『それ以上は知ってはいけないよ』という誰かの無言のメッセージのように思えて、好きですらない。 何より気に食わないことに――内側から外側にはいけないというのに、外側から時折訪れるものがあるという事実だ。 羨ましい。 5 雨音が気にならなくなってきた。自分の呼吸音を意識する者がいないように、常に雨音が響き続けている以上、特に気にする必要もないのだろう。もとより図書館より外に出ることもないのだ。天気が雨だろうが晴れだろうが雨だろうが、季節が春だろうが冬だろうが、私にとってはたいした意味を持たないのだ。 ざぁ、ざぁと雨が降り続ける。壁に、窓に、紅色の雨粒がついていく。世界がないているような、世界が血を流しているような、そんな光景。神は七日で世界を作ったというけれど、今度は七日で水没させるつもりなのだろうか。 ノアは何処だろう。 今頃、誰も知らないところで、一人せっせと船を作っているのだろうか? 雄と雌を一種類ずつ乗せて、楽園へと飛び立つために? 私は――きっと、その船には乗らないだろうと、そう思った。 けほ、けほ、と咳が出た。変なことを考えたせいかもしれない。口元を袖で押さえるけれど、咳は止まる気配を見せなかった。けほ、というかわいらしいものだったそれが、げほ、がは、と、嫌な音に変わっていく。喉に粘つく何かが絡みつき、呼気に押し出されて無理やりに外へと出て行く。呼吸がうまくできない。意識とは関係なく涙が出る。喘息に蝕まれる無様な自分の姿を、冷静な自分が、どこか他人ごとのように観察していた。 咳を吐き、 痰を吐き、 喘ぎ、 苦しむ、魔女の姿を。 どこか、魔女狩りを思わせる姿だった。 喘息は少しの間続き、咳が止まるころには立つ力もなくなっていた。もともと病弱で、過激な運動には向いていないのだ。椅子のところにまで戻るのも面倒で、本棚を背にして床に座り込む。立ち上がる体力も気力もなかった。魔法で移動すればいいのだけれど、それすらも面倒だった。 あー、と声ではなく息を吐く。かすれていて、自分の声には思えなかった。 袖を見る。先までなかった紅い華が、ところどころに咲いていた。 6 ざぁ、ざぁ、ざぁ。 雨音が少しだけ強くなった。当然、音も大きくなる。昨日慣れたと思ったらすぐにこれだ。雨量や音量が変わっては、一から慣れなおすに他はない。耳障りな雨音を、なるべく意識しないようにする。 こほ、と咳が出る。 埃は沈殿しているはずなのに、昨日から断続的に咳が出る。ひょっとすると、普段は空気中、館中に広がっている埃が、ゆっくりと沈殿して、見えないだけで私は埃の中で生活しているのかもしれない。埃の層が出来上がっているのかもしれない。 そんな、面白くもない想像をした。 雨は止まない。降り始めて六日目、雨が止む気配はない。延々と、延々と降り続いている。紅色の雨が。赤く染まる雨が、世界を紅く染めようとしている。血のように。吸血鬼のように。ワインのような、とでも形容できればよいのだけれど、外に降る雨の色は、古味を帯びたワインとは比べ物にならないほどに鮮やかだった。酸化すらしていない、純粋な血のような雨。 てるてる坊主と首吊り死体の差はなんだろうと考えて、すぐに思いつく。坊主を吊るした方が、どことなく不敬だ。少なくとも、この東の果てでは。 「ねぇ、パチュリー・ノーレッジ」 声に思考を邪魔された。雨音よりもずっと不快な声だった。からかうような、笑うような、笑われるような、からかわれるような、気に入らない声。声という声の中で、これほどまでに耳障りな声はないだろう。そのくせ音としては綺麗で、まるで誘うように腕を開いたかのように、どこか誘う響きがあるのだ。 つまりは、悪魔の声だ。 それも物語に出てくるような大悪魔ではなく、せせっこましく、みみっちい、みすぼらしくみっともない、小さな悪魔の声。 「パチュリー、パチュリー・ノーレッジ?」 小悪魔は私の名前を繰り返した。レコードですらもう少し愛嬌があるだろうと思った。 私は答えなかった。無視したわけでも、声が聞こえなかったわけでもない。単純に、何かをいおうとした瞬間に咳が出たからだ。こんなときでさえ喘息は私の行動を阻害する。おかげで、何を言おうとしたのか忘れてしまった。 小悪魔は、はじめから私の返答など待ってはいなかったのだろう。声に笑いを混ぜながら、 「いい天気ね」 そうね、と視線だけで答えた。確かにいい天気。雲ひとつない晴天を『死にたくなる空だ』と表現するのならば、いまの天気は『死んでしまった後』のようにいい天気だ。通夜のひとつでもやればよく似合うことだろう。 「雨はいいわよね――喘息もとまることだし」 いいながら、小悪魔は一歩私へと近づいてくる。紅色の絨毯が敷き詰められているため、足音は鳴らない。もっとも、たとえ板張りの床だったとしても足音はならなかっただろう。小悪魔は、悪魔らしく浮いているのだから。申し訳ない程度に背からは翼が生えているが、おおかた悪魔としての飾りなのだろう、移動の際にはためくこともなかった。尻尾だけが、重力にひかれて揺れた。 答えは再び喘息だった。ごほ、げほ。醜い声が口から漏れ、汚い息が外へと逃げ出す。息には紅いものが混じっていて、とっさに抑えようとした袖が再び紅く染まった。 血痰。 喘息と共に血を吐いた私を見て、小悪魔は――こんな表現は使いたくないのだけれど、これが一番しっくりくる言葉だった――にんまりと笑った。これ以上ないくらいに、嬉しそうな笑みだった。 「大丈夫?」 笑ったまま小悪魔は言った。人を気遣うような言葉ではない。むしろその対極に位置するニュアンスだった。言葉が『早く死なないかしら』だった方が、よっぽどそれらしかっただろう。 私は視線を返す。 大丈夫よ/大丈夫じゃないわよ。 平気よ/平気じゃないわ。 だって私は、/なぜって私は。 ――魔女なのだから。 自分でもどちらともつかない答えを、小悪魔はどう解釈したのだろうか。笑みがさらに深まった。凄惨とすらいっていい。紅色の唇が、三日月のようにつりあがった。 応えるようにして、再び咳が出た。小悪魔の呪いかもしれない。ここ最近なかったほどに酷い咳だった。血痰というよりも、吐血といっていいほどの血が出る。袖で抑えきれずに、飛び散った血が自分の顔に頬に口にかかった。口内で血の味がする。 「血が出ているわ」 小悪魔がもう一歩近づいてくる。私は何もしない。逃げることもしない。逃げようともしない。咳を吐き、血にまみれた私にそんな力はない。たとえ魔法を唱えようとしても、その瞬間に再び咳が出ることだろう。血とともに。 たとえ小悪魔から逃げたとしても、喘息から逃げられるわけではない。 私は指一本動かさなかった。小悪魔は私に何も求めなかった。 「血、紅い血、美しい血――」 戯曲のようにそう言いながら、さらに一歩近づいて、小悪魔は膝を屈した。座ったままだった私と視線の高さがあう。ちらりと、小悪魔へと目を走らせる。瞳は笑っていた。瞳の中に映る私は、まるで魔女のような姿だった。 ちろりと、小悪魔が舌を出す。悪魔のように、蛇のように長くて紅い舌だった。舌の先が二つに別れていても、私は驚きはしなかっただろう。 長い舌をちろちろと動かして、その舌先で小悪魔は私の頬をなめた。べろりと、蛞蝓が這うような感覚。嫌悪感はない。頬についた血がとれていく感覚があった。 「血――」 繰り返しながら、小悪魔は舌を動かし続ける。頬、耳、顎、飛び散った血を丹念に丁寧に、偏執的なまでになめとっていく。血が拭い取られ、代わりに小悪魔の唾液が付着する。彼女の息遣いをすぐそばで感じた。 咳が出た。 口から飛び出そうになった血液を、小悪魔は唇を重ねて無理やりに受け取った。行き場のなくなった息が喉へと戻って吐きそうになる。拭いきれなかった血が口端から漏れ、小悪魔はそれすらも舐めとった。舌は動きを止めずに、口内の血を舐めとっていく。 変なの。 血を吐く自分を見ながら、血を拭う小悪魔を見ながら、私は思う。 私は喘息もちで。 喘息を持つ魔女で。 別に――血を吐く魔女ではない。喘息は死を招きかねない病気だが、血を吐き散らすような病気ではない。なのに私は今、喘息の咳とともに血を吐いている。 おかしかった。 血をはいていることが、ではない。 『喘息をもつ魔法使い』である私が、滑稽でたまらなかった。 7 七日目が来た。雨はやっぱり降り続けていて、私は座るのも面倒になって床の上に横になっていた。小悪魔は本棚に腰かけて、そんな私を笑いながら見下ろしている。口の中は血の味と、小悪魔の舌の感触が残っていた。まるで吸血鬼のように、小悪魔は私の吐血を舐めとった。 きっと、 そうすることが、彼女には必要なのだろう。 そう思った。 血は、何より魔術的なのだから。 ざぁ、ざぁ。 雨音を聞きながら思い出す。雨が降り続いて七日目。この七日間、一度として図書館の外に出ていないことに。食事にも排泄にもいっていない。どころか、何も食べていない。寝てもいない。本を読むか咳をするかのどちらかだった。たいていの場合、それは同時に行われた。 仕方がない。私は魔女なのだから。 魔女。 そう――私は魔女だ。魔のつく存在なのだ。寝る必要もない。食事をする必要もない。それでいて死なない。百年間年をとることなく生きている。人間をやめ、魔女となったものはそうなる。知識によってでも、万能の霊薬によってでも、呪いによってでも何でもいい、とにかく魔女となったものは、魔の存在にふさわしいモノになる。 吸血鬼のように。 死なない。 生きない。 眠らない。 食べない。 人とは違う――完全な存在。生き物ではなく、魔法使いという存在と化す。 だから。 だから、おかしいのだ。 『喘息もちの魔女』などというものが、論理的に考えて存在するはずがないのだ。眠らない。食べない。死なない。老いない。病や死から逃れ、人間らしさから逃れ、存在に固定された存在。それが魔法使いだ。喘息などという、この上なく人間的な病気に魔法使いがかかるはずがないのだ。 だから、それは。 魔法使いという、肉体のモノではなくて―― 「血を吐きたそうな顔をしているわ。それとも、毒?」 私を見下ろした小悪魔が嘲るように言う。まったく、これ以上なく悪魔的なタイミングでささやいてくるものだ。仕方がない、彼女は小悪魔なのだから。悪魔にすらなりきれない、小悪魔。 私は魔女で。 私は魔法使いで。 彼女は、私の『魔』なのだから。 私の淀んだ部分そのものである彼女は、私の咳である彼女は、私の血痰である彼女は、私そのものである彼女は、楽しそうに笑ったまま、私を見ている。人間的なものに蝕まれるパチュリー・ノーレッジを、悪魔的なパチュリー・ノーレッジが見ている。 「両方」 私は声を振り絞って応えた。それはひょっとすると声にはなっていなかったかもしれないけれど、それでも十分に伝わった。声に出さなくても、小悪魔は私の考えることくらいはわかるだろう。私、なのだから。 「魂の腐り堕ちる気分はどう?」 くすくすと笑いながら小悪魔は言った。 そう―― そう、つまりは、そういうことなのだろう。 魔法使いの体は、病を知らない。 ならば。 ならば、結論は単純なものだ。 肉体ではなく。存在ではなく。 パチュリー・ノーレッジという魂が病んでいる。 病気を持つ――すなわち穢れた魂。蓬莱人は肉体が滅んでも、その魂がある限り何度でもよみがえる。彼女たちにとって重要なのは肉体ではなく魂なのだ。 それと、同じことだ。 人間の器か、魔法使いの器か、そんなことは関係なく。魂が穢れているから、肉体にまで病状が出る。はじめは喘息。そして血を吐き。やがては死ぬ。ゆっくりと時間をかけて。百年では足りなかった。二百年でも足りないだろう。 たとえば千年。 千年間、ゆっくりと、苦しみながら蝕まれていって――やがて、魂は朽ちて。 パチュリー・ノーレッジは腐り堕ちて。 後には、『魔』だけが残るのだろう。そのときこそ、小悪魔は私から離れ、悪魔になるに違いない。今はまだ、パチュリー・ノーレッジの魂のほうが強いから、小悪魔は小さく、弱いものに過ぎない。けれど、先は違う。時間がたつたびに、私の病が広がるたびに、彼女は悪魔らしくなっていく。 魔法使い。 魔女。 魔と、女。 「が――――」 血が、出た。咳なんて生易しいものではない。口から、血の塊が出てきた。それでも死なない。魔女だから。魔女は死なない。ゆっくりと、苦しみながら朽ちていくだけだ。 そんな私を、小悪魔は、楽しそうに見下ろしている。 パチュリー・ノーレッジが死ぬときを、心待ちにしている。 ――私と同じように。 がたんばたんと、あわただしい音が外から聞こえてきた。何だろう、と思うより先に、小悪魔が笑いながら言う。 「雨を解決するためにきたお客さんよ。雨を解決するためにきたここまでつれてきてあげたから、苦しみながら相手してあげて」 成程。納得する。この雨は、不自然なほどに長く濃く紅い雨は、自然的なものではなく、誰かが起こしたものなのだろう。誰が、かは考えるまでもない。こんなことをできるのは、こんなことをするのは、この館の主、吸血鬼の主くらいだろう。 そして、その主を止めるために、侵入者がきたということだ。ご丁寧に――小悪魔はここまで誘導してきてくれたらしい。悪戯好きで、悪魔のような、私への嫌がらせ。それもまた、私の一部だ。 私は力を振り絞って立ち上がる。死にはしない。血を吐いても、力がなくても、魔法使いである限り、魔女である限り、そう生きるだけだ。こんな姿を、自分以外に見せる気はない。私は魔法で服を変え、侵入者を待ち受ける。小悪魔は本棚の上へと逃げて、そんな私を見下ろして笑っている。 侵入者が近づいてくる。 私は最後に、小悪魔を見上げて、せいっぱいの笑みを浮かべて言った。 「この悪魔」 (了) |
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