1 霧雨 魔理沙は此処にいる。
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 本を捨てて街に出ろ。
 新しい本を買ってこい。


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 人を人と思わないやつは人間じゃない。ならその逆は? 人を人だと思ってさえいれば妖怪だって人間だというのだろうか。その逆の逆は? 人間以外を人だと思い込んでいる人はどうなる? ただの狂人と断言してしまえば、人を人だと思い込んでいるやつだって狂人だ。他人が本当に人間だと誰が分かる? 同じ人間だと誰が保証してくれる? そもそも、人間とは何だ? 脳みそがあれば人間か。殺せば死ねば人間か。寿命を迎えれば人間か。体組織と遺伝子と細胞こそが人間なのか。首から上だけになったのは人間ではないのか。死んでしまえば、それは人間ではないのか。ただの死体。人間の死体。物、物、物。どうしようもないほどに境界線は曖昧で、そもそも境界線の位置なんて誰も知らなくて、境界があることにすら気付いていない。そして、境界があることに気付いている人間は、そもそもそんな境界のことなど気にしない。
 とっくの昔に、境界線を踏み越えて、向こう側へ行っているのだから。
 そんな思考を連々と私は考えてみる。どうしようもないほどに、駄思考。考えるべきでない思考について考える思い。あるいは必要のない無駄な行為。けれど百年も生きていれば気付く。無駄なものしかないと。結局のところ無駄しかなくて、その無駄を楽しむからこそ生きているのだと。
 だからこその、思考。
 考え、思う。意味のないことについて。意味のあることについて。意味のあることの意味を剥ぎ取るために。意味のないことに意味を与えるために。なければ造る、あるなら壊す。滑車の上を回るネズミのように。延々、永々と繰り返す。前に進むことは出来るけれど進んだ場所が後ろに下がっていくような幻視。道に意味がなくても行為に意味はある。あるいはその逆。あるいはその逆の逆。あるいはその逆の逆の逆――逆に言えば、百年生きてもこの程度の思考にしかたどり着かない。仙人に辿り着くには千年生きねばならないということだ。
「パチュリー様」
 小悪魔が言う。私は読んでいた本から顔をあげない。本を読み、思考をする。単純なニ分割行為。三分割行為になることはない。小悪魔を無視し続ければニ分割行為は続き、小悪魔に構えば本を読むのを止めることになり、結局はニ分割行為のままだ。
 私は、後者を選んだ。
 読んでいた魔術書を閉じ、机の上に積み重ねていた他の本の上に、同じようにして重ねる。そのどれもが貴重な魔術書。紅魔館の内部、大図書館にある本は、ほとんどがそういった類のものだ。他の人に気軽に見せることのできない、貴重な本の数々。
 その全てが、図書館の主である、私のものだ。
「何」
 顔をあげ、私は短く問う。長く喋ることはしない。図書館はどんなに掃除しても埃っぽくて、時折咳き込んでしまうからだ。
 喘息――なのだろうか。
 よく、分からない。それは勿論分からないふりをしているだけで、考えないようにしているだけで、本当は判っているし、気付いている。
「お食事を、お持ちしました」
 言葉の通り、手には底の深い器。。そう暑くはないのか、素手で器を持っていた。小悪魔が作ったのか、他のメイドが作ったのか。わざわざメイド長が作った可能性を思いうかべて、私は心の中で笑う。咲夜にエプロンなど、どう考えても似合わない。包丁の代わりにナイフを振っている姿ならばすぐに想像できるが。
 小悪魔が差し出した器を受け取り、中身を確認する。
 黄色いスープだった。
「小悪魔」
 彼女の名前を呼ぶ。小悪魔は「はい、」と答え、顔を上げ、私を見る。
 その顔めがけて、私は、思い切り器を投げつけた。
「――きゃぁっ!?」
 悲鳴をあげ、小悪魔は顔を腕で庇おうとした。
 その動きがいけなかった。完全に防ぎきるには、距離が近すぎた。頭を庇おうとした手が器に触れ、フリスビーの要領で飛んでいた器の姿勢が崩れる。器は縦に半回転し、中のスープが飛び散り、小悪魔の髪と服と肌をまとめて濡らした。
 手で持てる程度とはいえ、そこそこ器は熱いだろうに、小悪魔は茫然としているだけだった。濡れた身体を吹こうともしない。温度を感じる機能が人とは違うのか、単純に衝撃が大きすぎて気が回っていないのか。
 ドブ鼠のようになった小悪魔は、『なぜこんなことをされるのか分からない』という瞳で私を見ていた。
 その瞳から、私は目を逸らさない。
「スープは」言葉を区切って、はっきりと、言う。「嫌いなの」
 それだけ言えば十分だった。それ以上話すべきことなどなにもなかった。小悪魔から目を逸らし、本を手に取る。かすかにスープの匂いが漂ってきたが努めて無視した。本を読み始めるとすぐに匂いも気にならなくなる。
 小悪魔はしばらくの間放心し続けて、その倍近い間ぐずってから、ようやくのそのそと出て行った。入れ替わるようにしてメイドたちが数名入ってくる。彼女たちは慣れた手つきで汚れた部分を掃除し、音も埃も立てずに去っていった。それこそメイドの鏡、そして図書館に相応しい動きだ。
 図書館は、再び、静けさを取り戻す。
 静寂、静寂、静寂。本の頁をめくる音と、私自身の呼吸音。それくらいのものだ。自分の心臓の音でさえ聞こえてしまいそうな気がする。
 静寂を破るものは居ない。誰も。
 ここには私一人で、
 私は、独りで。
 一里先に誰かがいたとしても、ここは、私だけの楽園だ。
 閉じた図書館。本の王国。
 ただ――たまに、思う。
 主役はきっと、私ではない。
 王様はきっと、私ではない。
 主だって、私なんかでは、ないのだ。
 私が本を保有しているのではない。本が私を保有しているのだ。実無限に近付こうとする本たちが、たった一つでしかない私を手放すまいと呪っているのだ。読み手を逃さないために。
 誰にも読まれない本は、もはや本ではない。本の存在意義はそこに記されたことを誰かに読んでもらうことであり、読み手がいない本、などというものは存在しない。それはもはや本ではなく、そもそも存在しないのと同意義だからだ。
 読まれてこその、本。
 図書館の主は本でしかなく、本でしかない。それ以外のものは付属品であり、本を本たらしめるものだ。読むための装置、管理するための装置。本は自らの存在を確率するためにそれらを許容し、私はそこの隙間に滑り込んでいるだけだ。
 本が、私を許している。
 成る程、私は本以下なのだ。そう思うと少しおかしかった。居並ぶ本の中には私よりも歳を経たものがいる。屋敷の奥にいる、紅い友人よりも古い本もあるだろう。そう考えれば、人間も、妖怪も――魔女さえも、本より価値が劣る。
 作り出したものに追い抜かれる、という矛盾。
 人形遣いが自分の人形に殺されるようなものだ。
 そして本たちは――そんなことを、考えもしない。彼らはその存在意義を果たすことしか考えない。読み手の事情など、少しも考えてはくれない。読み手が誰だろうが、本にとっては関係がない。
 きっと、誰でもいいのだ。読んでさえくれれば。

 そしてそれは――人間だって、同じことだ。 

 遠くで、弾幕の音が聞こえた。停滞した空気を切り裂いて何かが飛ぶ音、弾幕が建物を削る音、削られた建物の欠片が床にぶつかって砕ける音、弾幕の発射音、発射音、破壊音。見知らぬ誰かの悲鳴、見知らぬ誰かの怒声、見知った誰かの歓声。
 来客を告げるチャイムのようなものだ。
 弾幕の音は賑やかに、あっちへ行ったりと、こっちへ行ったりと移動し続けている。そのうちにこの図書館にも来るかもしれない。
 賑やかなのは、好きではない。
 魔女としての私はそう思う。
 寂しくないのは、嫌いではない。
 魔女ではない私はそう思う。
 弾幕の音は次第に大きくなっていく。そろそろメイド長が動き出すかもしれない。相手はいつもの来客者だろうか。鬼であったり、天狗であったり、半霊であったり――魔法使いであったり。
 少しだけ楽しみに思いながら、私は本の頁をめくった。来るにせよ来ないにせよ、私は本を読むだけだ。
 あるいは、本に読まされるだけだ。
 頁をめくりながらも、本を読みながらも、思考はもう一つのことを考え、思い出す。
 懐かしい、思い出を。


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 書き終わった日記は小説である。


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 霧雨 魔理沙がやってくるのはいつものことで、いつものように彼女は手ぶらだった。
 つい一週間前、本を借りて、出て行ったはずだ。
 それを返しに来たのかな、とパチュリーは思わなくもなかった。虚しい希望だと分かっていながらも。
 案の定、魔理沙は本を返すでもなく、適当に本棚を見繕いながら、
「何か本貸してくれよ」
 などと嘯いた。傲慢この上ないが、いつものことといえば、いつものことだ。
 一瞬全ての魔法を叩き込んで追い出そうかと思ったが、相手はどうせ一筋縄でいくような魔法使いではないので、
「持っていく、でしょう」
「持っていって返しに来るんだよ」
 パチュリーの嫌味を、魔理沙は笑ってかわした。
 あの日、持ってかないでといわれて弾幕遊びをしたときから、魔理沙は少しは成長したらしい。単に浅知恵をつけだだけのような気もしたが。
 奪う、ではなく、返しにくるよ、といえば、そうそう追い払われないということを。
 そのことを分かっているからこそ、パチュリーは小さく嘆息した。たしかに、『返しにくる』ということは、もう一度やってくるということだ。人の魔法使いとの交流は意外と脳を刺激する。ここにある本からでは得られないこともそこにはある。だからこそパチュリーは、魔理沙がここにくることを、本を借りていくことを許容していた。
 その代償として、魔理沙がくるたびに、門番他数名が吹き飛ばされることになるのだが。
 それはまあ、些細なことだとパチュリーは思う。自分はここの客人であり、門を守るのが門番の仕事であり、そこに互換性は一切ない。共通事項すら存在しない。門番は仕事をし、客人は本を読む。素晴らしいことだ。
 館の主が文句を言わない以上、それは許可されているということになる。
 だからこそパチュリーは魔理沙の来訪を歓迎している。口にだすことは、まったくないが。
「……いつ返しにくるの?」
「死んだら返すぜ」
 言って、魔理沙は箒に跨って浮かび上がった。飛ぶ、ではない。力を抑え、ゆっくりと浮遊する。天井まで届きそうな本棚の、上の方にある本を探しにいったのだ。
 パチュリーの座っている位置からだと、上を見ればドロワーズが見えるが、特に興味がないのか本にばかり目を落している。
 読みながら、パチュリーは言う。
「魔女は長生きするものよ」
「私は普通の魔法使いだぜ?」
「それなら貴方、案外ぽっくりと逝くかもしれないわね」
「あっさりと不吉なことを――ま、私としては楽しけりゃ別に、おっと発見、即回収」
 箒の柄先をたくみに操り、魔理沙は進路を変える。向かった先の本棚から、無造作としか思えない手つきで本を取り出した。それを小脇に抱え、また本棚あさりに戻る。
 パチュリーは頁をめくり、
「そんなことをいう人間に限って……長生きするものよ」
「長生きできれば魔法の研究も進むな――ああ。だから魔女は長生きするんだな」
「そういうことよ」顔を上げ、魔理沙と、本棚の列をぐるりと見回し、「十年や二十年じゃ、読みきれない。四十年や五十年じゃ、理解しきれない。百年あっても、まだ足りない」
「実感味のこもった言葉だぜ」
 笑って、本の表面を指先で撫でながら魔理沙は飛ぶ。細い爪が、何十、何百年という歴史を一瞬で通り過ぎていく。
 読まれるのを待つ本たちは、黙ってその行為を受け入れた。
 その爪先が、しばらく行った先で止まる。
 二冊目の本は先の倍ほどの厚さがあった。箒を両膝で固定し、膝の上に一冊目の本を置き、両手を使って二冊目の本を抜き出す。
 分厚い本を満足げに抱えて、魔理沙は本棚から離れた。
「すぐに読み終えて理解できる方法とか、あったら便利なんだけどな」
 冗談交じりの言葉。本人自身も信じていないのか、「速読術でも覚えるかな」と笑いながら言う。
 その言葉に、パチュリーは口元だけに笑みを浮かべ、真面目な口調で答えた。
「あるわよ」
「……は? 何が?」
「だから、方法。すぐに読み終えて、すぐに理解できる、方法」
「あるのか!?」
 ぎゅん、と音が響きそうな勢いで魔理沙が詰め寄ってくる。箒を使っているだけあって速い。本の上にかすかに溜まった埃が、一斉に舞い上がり、パチュリーは「けほっ、か、ふっ、」と咳を吐いた。
 口元を袖で押さえ、笑みを消し、
「……。あるのよ、というより、魔法使いの貴方なら知ってるべきことよ」
「あー」魔理沙は笑い、「私は普通の魔法使いだからな、知らないことも多いんだ」
「普通なら、知ってるべきことよ」
 言って、パチュリーは本を閉じる。本気で話し込むことの合図だった。
 魔理沙は二冊の本を両手で持ち、箒の上に腰掛け、真摯にそれを聞いた。
「類感魔術くらい知ってるわよね?」
「勿論だぜ。似てる奴はお互いに効果をもたらすってやつだろ?」
「…………。ものすごく簡素な説明に感謝するわ。魔術であり、医術にも――呪術にも応用されるものよ。たとえばあの、人形を遣う魔法使い」
「アリスのことか?」
「そう、それ。それが遣う藁人形も、人形を人に見立てて呪う、類感魔術の一種よ。別に形が似ているだけではないわ。ようするに『意味』が等しくなればいいのよ。たとえば――そうね、名前、渾名。死を操る幽々子なんて、思い切りそうよね」
 まったく抑揚のない、淡々とした声で、パチュリーは言う。
 なんとなくわかる、となんとなく以上分からない、という顔つきで魔理沙は聞いている。
 構わず、パチュリーは続けた。
「逆に形や意味をまねることで、そのものの力を借りることもできる」
「肝試しで白い布をかぶるようなものだな?」
「そうね。幽霊は白い、ひらひらとして、掴みどころがない。そういったものへの、見立て」
「で、だ」
 魔理沙は箒の上で器用にあぐらをかき、
「それがどうしたんだ? 回りくどいぜパチュリー」
「もうすぐ終わるから黙って聞きなさい。なら、本、魔道書は、何を見立てている?」
「黙るんじゃなかったのか……まあそうだな、本は記録で、知識だ、つまり、」
 言いかけた魔理沙の言葉を、パチュリーが引き継いだ。
「脳の見立てよね。自分の脳を、あとに残すための方法」
 魔理沙は不服そうな顔をして、「類感魔術の話からズレてないか?」と突っ込みを入れた。
 あえてそれを無視して、
「類感魔術が医術に遣われてると言ったわよね。これは例えば、肝が悪い人がいたとするでしょう。その人に動物の肝を食べさせて、健康にするという方法よ」
「健康な肝を見立て、か。蓬莱の肝に見たてた奴もいるんだろうな」
「その場合はやっぱり、不死者の肝を使わないと類感にならないわ。即身仏の身体をこっそり食べた記録もあるわよ」
 魔理沙が嫌そうな顔をする。カラカラになった人間の身体を、すりこぎで潰して、丸薬状にして食べている光景を想像したからだ。
 シュールといえばシュールだが、お目にかかりたい光景ではない。
「足が悪いなら健康な動物の足を食べる。手が悪いなら健康な動物の手を食べる。知識を得たかったら?」
 脊髄反射で、魔理沙は即答した。
「脳を食べる?」
 パチュリーは呆れたようにため息を吐いて、
「猿の脳を食べても馬鹿になるだけよ。美味しいらしいけれど」
「じゃあ、何を――ああそうか、そういうことか? ここで話が繋がるんだな?」
「そういうこと」
 少しだけ自慢げに、パチュリーは解答を出した。
「簡単な話よ。本を食べればいい。それだけで、本に書かれた内容は頭に入るわ」
「それだ!」
 魔理沙は嬉々として相槌をうち、手に持った二冊の本を見る。
 放っておけば、いますぐにでも食べだしそうな雰囲気だった。
 その魔理沙を見て、パチュリーはにやり、と、底意地の悪そうな笑みを浮かべて、
「ただし――食べた分の本、全部複製よろしくね。読むより書く方が時間がかかるけど」
 げ、と魔理沙が呻く。
 パチュリーは、本人にしか分からないくらいに、少しだけ嬉しそうな口調で言う。
 このために、長々とした前振りをしたのだから。
「当たり前でしょう。もし貴方が突発的な事故で死んでしまったら、貴重な本が失われることになるわ」
 そう言ってパチュリーは珍しく笑い、「魔理沙は本を『借りて』いくだけだものね?」と釘をさした。
 もはやぐうの音もでない魔理沙は、苦虫を噛み潰して飲み込んだような顔をして、箒に跨りなおす。
 苦虫を食べたら、どこが良くなるんだろう――そんなことを、心の中で思っている。 
「本が失われても――人が失われても――そこにある知慧が失われることには変わりないわ」
 そう話をまとめて、パチュリーは本を再び読み始めた。
 話はお終い、ということだろう。
 魔理沙は肩を竦め、 
「……私はやっぱり読み専だぜ」
 言葉と同時に、箒が宙に浮いた。パチュリーが座る場所よりも、上へと。
 空中で百八十度向きを変える。柄先が、出口へと向く。
「何かを残す必要もないしな。私自身がどこまで行けるか、それだけで十分」
 それだけ言って、魔理沙は笑った。
 人間らしい、魔理沙らしい、笑みだった。
「というわけで、私がより凄い私になるために、この本借りていくぜ」
 箒の先を片手で握り、魔理沙は図書館の出口めがけて飛び始める。
 その背中へと、パチュリーは、小さな呟きを投げた。
 魔理沙は、振り返ることなく、図書館を後にする。

 貴方もいずれ分かるわ、という言葉が、魔理沙に届いたのか届かなかったのか――パチュリーには、終ぞ分からなかった。


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 本を読まずに生まれることはできても、本を読まずに死ぬことはできない。


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 そこで私は、記憶の海から抜け出した。
 視界にあるのは本棚の山と本の海。いつもと変わらない、紅い図書館。あの日と変わらない、紅い図書館。
 そして、変わることなく、本を読み続ける私が此処にいる。
 記憶から抜け出したのは、丁度きりがいいところまで思い耽ったから、というのもあるが、もう一つ他に理由があった。
 コン、コン、と、図書館の扉を叩く、ノックの音が響いたからだ。
 ――来客。
 いや、客ではないだろう、と頭の中で否定する。私がすでに客であり、客の客ならばノックなどという殊勝なことは決してしない。扉を突き破り、壁を壊し、弾幕の花火と共に入ってくるのが常だからだ。
 ノックを重んじるのは、客ではなく、本来館に住む者たちだ。
 小悪魔であったり。
 門番であったり。
 メイドであったり。
 紅い主人であったり。
 常にノックをする相手と、気が向いたときにノックをする相手がいるが、ノックをすることには変わりない。
 きっかり三秒経って扉が開く。どうぞ、と私が言わなくても扉を開けるのは、慣れからくるものだ。
 私はどうぞ、などと言ったことはない。入られたら困るときに「待ってて」というくらいだ。
 だからこそ相手は、三秒だけ待って、扉を開けた。
「――失礼します」
 一礼し、図書館に入ってきたのはメイド長だった。手には銀盆。その上には、何かの器。
 嫌な予感がした。
 嫌な予感はすぐに変わる。確信を通り越して事実へと。
 足音一つなくメイド長が傍まで寄ってくる。その盆の中を、私は覗き込んだからだ。
 案の定、そこには、スープがあった。
 小悪魔が持ってきたような、黄色く、にごったスープ。中には肉やら何やらが入っていて、シチューか何かと言った方が近いのかもしれない。
 湯気がたつそれは、出来たばかりなのだと主張している。
 漂う香りは美味しそうで――つい、手を伸ばしてしまいたくなる。
 けれど、私はそれに手を伸ばさない。
 スープは嫌い、という言葉に嘘は無い。
 嘘は無いが、食べないのはそれが理由ではない。もっと不審な事実がそこにあり、そのせいで食べるわけにはいかなかったのだ。
 背の高いメイド長を見上げ、その瞳を見据えて、私は訊ねた。
「どうして、小悪魔ではなく、貴方が持ってきたの?」
 ――そう。
 今まで、私にスープを持ってくるのは、小悪魔だけだった。
 食事はメイドが持ってくるのがほとんどで、そうでなければ自分から取りにいった。そもそも、百年も生きていればある程度は何も食べなくても生きてける。
 だから――スープを持ってくるのは、小悪魔だけだった。
 だというのに。
 今、メイド長は『こぼしてしまった分の代わりですよ』とでも言わんばかりのすまし顔で、スープを手にしていた。
 不審に感じない方が間違っている。
 メイド長はにこりとも笑わず、淡々と、事務的な口調で言った。
「それが小悪魔の望みでしたので」
「――――そう」
 頷き、開いたままだった本を閉じた。
 表紙の上で手を組み、先よりもなお強くメイド長を見つめて、私は問う。
「先の弾幕?」
「ええ」
「……貴方が作ったの?」
「ええ」
 メイド長は頷き、
「これが、彼女の望みでしたので。それに――慣れていますから」
 言った瞬間、その手には魔法のように銀のナイフがあった。いつの間に、と驚く暇もなく、ナイフが再び消える。
 魔女が言うのもなんだけれど、魔法を見ているかのようだった。
 スープを手に立つメイド長に、私は、はっきりと告げた。
「なら――よけいに飲めないわ。私はね、二度とスープなんて飲まないの」
 流石に、器を受け取り、投げ返すような真似はしない。
 私の言葉でメイド長は表情を変えない。憮然とした態度をとることもない。あくまでも冷静に、あくまでも淡々と。
 仕事だけを行う、メイドの鑑のような態度だった。
 長、と呼ばれるだけはある。まったく私情を入れないだなんて。妖怪にだって、人間にだって、易々と出来るようなことではない。
 それとも、このメイド長の心は、一片足りとも小悪魔には向いていなかったのだろうか?
 すべて、紅色の悪魔へと向かっているのだろうか。
 そんなことを、思ってしまった瞬間、
「飲んでらっしゃるでしょう」
 淡々とした態度のまま、メイド長は、私にそう告げた。
 言葉の意味が判らずに、私は黙って首を傾げる。
 メイド長もまた、黙ったまま、首をぐるりと回した。
 図書館に立ち並ぶ、はるか昔から変わらぬままにそこにある、本たちを見回す。私もつられて、視線だけでそれを追う。
 本、本、本、本、本、本、本――
 どこを見ても、本がある。
 ここは、本に囲まれている。
 本を見上げたまま、メイド長は言う。
「知識のスープを。知慧のスープを。常に、飲んでいられるでしょう」
 そして、顔を降ろし、鋭いナイフのような目つきで私を見て、彼女はこう言った。
「本を読むとは――そういうことなのでしょう」
 それは。
 私の心に、私の記憶に、私の脳に、ずきりと突き刺さる、ナイフのように突き刺さる、致命的な一言だった。
 それを言われれば、私は、何を言うこともできない。
 メイド長は言いすぎた、とでも思ったのか、スープを机に置き、一礼して踵を返した。
 その背を見ながら、私は、懐かしい記憶を思い出す。思い返す。
 彼女の言葉がきっかけで、再び、私は記憶の底へと沈んでいく。
 だから。
 メイド長が、言った、仕事から少しだけ外れた言葉。


 それが、彼女なりの、小悪魔への思いなのだと――図書館の扉が閉まるまで、私は気付けなかった。


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 小説なんて誰にでも書ける。


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 いつものように魔理沙は本を奪い、『借りるぜ』と言い残して、去っていく。
 少しばかり変な話はしたけれど、それもまた、「いつも」に含まれる範囲内だ。
 ただ――今日は、少しばかり、話しすぎた。
 本を抱え、飛び去る魔理沙を上目遣いに見送りながら、パチュリーはそう思う。
 本を読む気にはなれなかった。読もう読もうとしていた本を閉じ、顔を上げて魔理沙が去っていった扉を見つめる。箒の先で扉を開けるという強引な手段。壊れないのはこの館が特別だからなのか、魔理沙が壊れないように手加減しているからなのか。
 扉の向こうからは弾幕の音。行きも帰りも弾幕あそびとは、苦労人極まりない。
 本当に苦労しているのは、門番や小悪魔の方だろうけれど。
 そのことを思い、パチュリーは、小さくため息を吐いた。埃っぽい二酸化炭素が口から抜け出し、埃っぽい空気が肺に溜まっていく。
 図書館は、元の静けさを取り戻した。
 だからだろう。心の中、頭の中の声が、よりはっきりと聞こえてくる。思考能力が上がっていく。脳が音をたてて動き続ける。
 魔理沙との会話を思い出す。類感魔術、見立て、補完の術。
 その会話の中で、魔理沙に伝えていなかったことが――パチュリーがあえて一つだけ言わなかったことがある。
「……脳を食べる、ね……。その通りよ、魔理沙」
 あれは、正しい。
 とっさに『猿の脳』と誤魔化したものの、実を言えば、そういう魔術を行った記録というのは確実に存在する。
 頭の病気を治すために、猿の脳を食べる。
 それでも治らなければ、人の脳を食べる。
 頭をよくするために、人間の脳を食べる。
 そういった見立てはあるし、それを専門にした魔道書というのも、図書館には存在する。
 もし魔理沙がそのことについて深く訊いてくれば、パチュリーは全て話しただろう。
 全知を得るために、魔法使いが何を行ってきたのかを。
 けれど、魔理沙は、何も言ってこなかった。
 何か思いがあって追求しなかったのか、単純に気付かなかったのかは分からない。
 すべて分かっていたから、聞かなかったのかもしれない。
 それはパチュリーには知りえないことだし――知りたいとも思わなかった。
 知る必要も、あるとは思えなかった。
 そんなことは、問題でも何でもない。考えるべきことではない。
 問題は。
 脳の見立て、本の見立てに関することだった。
 本を、脳に見立てることはできる。
 ――逆もまた真なり。
 つまり、脳を、本に見立てることもできる。意味がないので誰もしないだけだ。
 けれどパチュリーの中では、ある一つの、意味が作られていた。意味のないものに、意味が付属されていた。
 逆もまた真なり。
 脳は持つのは記憶だけではない。人格。知識。その他全てが、そこに詰まっている。あるいは、脳だけではなく、身体まで含めてその人なのかもしれないが。
 そして、本は、食べることによって引き継ぐことができる。
 逆もまた真なり。
 等号でまとめられたことは、両方に言える。
 なら。
 なら。

 なら――――

 と、思考がまとまり、思想が彼岸へと到達し、覚悟を得た瞬間。
 コン、コン、と、再びノックが鳴った。
 魔理沙が戻ってきたのだ――とは、パチュリーは考えなかった。
 どうぞ、とは言わない。三秒と少しの間がたって、扉が開く。
 そこにいたのは、小悪魔だった。別に何かを持ってきたわけではない。何かを取りにきたわけでもない。いつものように、入ってきただけだ。
 そこに理由はない。図書館の住人というだけの理由しかない。
 ただ――タイミングが、良すぎた。
 パチュリーの思考が到達したその瞬間に、小悪魔はやってきたのだ。
 きっかけとしては十分過ぎた。
 だから、パチュリーは、入ってきた小悪魔を見据えて、こう言ったのだ。


「お願いがあるんだけど――――――――――――――――――――――――――――」


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 鏡を見たまえ。ほら、そこに本がある。


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 思考が記憶から救い出される。それは、周りの影響ではない。新しい来客がきただとか、弾幕の音が聞こえたとか、そういった理由ではない。
 単純に、記憶が終わった。それだけのことだ。
 図書館には、私しかいない。
 私と――本しか、此処にはない。
 机の上にはメイド長が置いていったスープと、読みかけて積んである本。それ以外には、何もない。ここには本と、私がいるだけだ。
 何の音も、ない。
 外から聞こえる音すらも、本の重みに押しつぶされて、消えていってしまう気がした。
 静寂、静寂、静寂。
 静けさに押しつぶされそうになってしまう。声を出すのがつらく感じる。埃の舞う音すらも聞こえるような気がした。
 スープはまだ湯気を立てている。ご丁寧にも、銀製のスプーンが添えてあった。
 何気なくスプーンを手にとって、混ぜてみる。スープから昇り立つ湯気が渦を巻く。匂いが強くなった。
 いい匂いだ、と思う。
 食べ物としてのスープは、嫌いじゃない。単純に、スープという存在が嫌いなのだ。
 あの日も、出された食べ物は、スープだったから。
 スープを飲んで、私の人生は、大きく変わったのだから。
「あ――――」
 息を吐くと同時に、記憶が蘇る。記憶の海に翻弄されるのではない、自分の意志で、あの日、あの時のことを思い出す。
 百年もの間、忘れなかった記憶を、思い返す。
 あの日。
 いつものように図書館を訪れた、あの日。
 私は。
 私は。
 私は――
 普通の魔法使いだった霧雨 魔理沙は――スープを飲んだのだ。


 ――パチュリー・ノーレッジの血と肉と骨と脳で出来たスープを。


 長い長い――百年分の本を、私は、読んだのだ。
 いつものように遊びにいったあの日、珍しくパチュリーがいなかった。
 さらに珍しいことに、昼食を出された。誰もいない食堂で、小悪魔が、スープを出した。
 肉の入った、美味しそうなスープ。
 何の肉か小悪魔は言おうとしなかったし、訊く必要もなかった。
 すぐに、分かることになったからだ。
 貰えるものは何でも貰うとばかりに、私はスープを食べ、全て食べ終えてから――その正体に、気付いたのだ。
 肉は、パチュリーだった。
 私は、パチュリー・ノーレッジを、食べたのだ。
 そのことを理解したのは、何も小悪魔に教えてもらったからではない。食べ終わったとき、その時には既に頭の中にそれがあった。
 頭の中に、パチュリーがいた。
 類感魔術。補完術。
 脳を、身体を食べることによって、相手の全てを受け継ぐ。
 魔女の引継ぎ。図書館の主の交代。
 立場も含めて――私は、パチュリーの、全てを得たのだ。
 それはさながら、本を読むようなものだ。パチュリー・ノーレッジという本。
 本は、読んでもらうためにある。
 読まれない本は、ないに等しい。
 逆に考えるのならば――読んでさえもらえれば、本はそれでいいのだ。
 そして百年前のパチュリーは、百年前の魔理沙よりも、ずっと本に近い存在だった。
 知慧の固まりである自分を、本だと言い切れる程度には。
 ――自分の全てを魔理沙が引き継ぐ。
 知識も、経験も、人格も、全ては溶けて魔理沙のものになる。
 あるいは、そこには。


 ――愛情というきっかけが、あったのかもしれない。


 愛情の行き着く先の一つに同化欲というものがある。好きな人と一つになりたい、という、単純極まりない、けれど大切な結論。
 パチュリーは、文字通りに、一つになった。
 全て受け取ってしまった以上、私は、影響を受けざるを得なかった。
 本来ならばパチュリーが行ったであろう事柄を、残らず、受け継いだのだ。
 知慧を受け取って。
 人間を越えて。
 百年もの間、老いることもなく、私はここにいる。
 巫女が死のうと、メイド長が交代しようと、自身に何の変化もなく――此処にいる。

 図書館の主として。

 昔私が借りた本は、すべてここへと返した。成る程、自分で言っておいて何だが、『借りる』というのは嘘ではなかった。
 変化は、何もない。
 あるとすれば、それは――小悪魔くらいだ。
 毎年、私があのスープを食べた日が来ると、小悪魔は、私にスープを持ってくる。
 百年前にそうしたように。
 百年前、霧雨 魔理沙という人間に対して、パチュリー・ノーレッジで出来たスープを持ってきたように。
 その日になると、小悪魔は、私にスープを持ってくる。
 彼女がとうの昔に発狂していることに、私は気付いていた。それもそうだ、自分の主人のような相手を、自らの手で切り刻み、あまつさえその血肉で料理を作ったのだから。悪魔とはいえ、発狂してもおかしくないだろう。
 狂った小悪魔は、私のことをパチュリー様、と呼び、私に仕えている。
 姿形は全然違うというのに――私を、パチュリーに見立てている。
 図書館にいる人間が、今の彼女にとっては、パチュリーなのだろう。
 そして、彼女が出した最後の命令を律儀に守っている。スープを出す、という命令を。毎年その日に村で失踪者が出るのは――そこまでは、私は知らない。一度でもスープを食べてみれば分かったのだろうが、百年間、私は変わることなく、スープを小悪魔に投げつけてきた。
 けれど、今。
 ここにはスープだけがある。
 けれど、今。
 小悪魔の姿はない。
 けれど、けれど、けれど――
 私は、悟っていた。
 小悪魔は、此処にいるのだと。
 机の上に置かれたスープ。メイド長が持ってきたスープ。
 彼女は言った。
 先の弾幕で、と。小悪魔の願いだった、と。
 その意味を、私は知っている。
 彼女がパチュリーのことを好んでいたことを、この百年で、十分に味わっている。
 なら。
 彼女は、きっと願うだろう。
 もしたとえば、弾幕か何かによって死ぬことになったら、パチュリーがそうしたように自らの身体をスープにすることを願うだろう。 
 スープになって、私の中で、パチュリーと一つになることを、望むだろう。
 そのことを考えるとぞっとした。このスープは、小悪魔そのものだ。
 パチュリーを食べた時、私は変わった。
 小悪魔を食べれば――更に変わるのだろう。
 本を読むことによって性格が作られるように。
 大潮に翻弄されるように、私は、変わらざるを得ないだろう。
 怖い。
 怖い。
 怖くて、たまらない。
 何が怖いか、私はもう、知っていた。
 私は――

 私は、私が怖いのだ。

 自分が誰なのかが分からない。
 本当に、私が、霧雨 魔理沙なのかが分からない。
 あの日、霧雨 魔理沙なんていう人格は、死んだのではないか。
 百年かけて、霧雨 魔理沙という人格は、変質して消えたのではないか。
 そんな疑問が、頭にまとわりついて、消えないのだ。
 スープがこの上なく恐ろしいものに感じて、私はスプーンから手を離した。手で撥ね退けたかったが、それすらも恐ろしくてできなかった。
 一度意識してしまうと駄目なのだ。
 私は、本当に、霧雨 魔理沙なのだろうか?
 そんな人物はとっくに死んでしまっていて。
 ここには、ただ、生きている本があるだけなのかもしれない。
 私は――私の名前は――
「……私の名前は、霧雨 魔理沙だ」
 意識して、声に出して、呟く。それでも怖れは消えない。
「私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ。私は霧雨 魔理沙だ…………………………」
 延々、延々と呟く。大きな声を出す力などない。小さく静かに、ぶつぶつと呟く。
 居並ぶ本たちに押しつぶされないように、ずっと、ずっと、私は呟き続ける。
 私はパチュリー・ノーレッジではない。それ以外の何かでもない。
 そうだ。
 そうだ。
 私は、彼女とは違う。
 自分を捨てたりなんてしない。
 いつの日か、彼女と同じ行為をしたりなんて――しない。
 自分の身体を抱きしめる。
 そこには、きちんと肉がある。私の身体がある。私の心がある。
 私は此処にいる。





 霧雨 魔理沙は此処にいる。












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 次回のやる気につながりますので……感想、ひと言遠慮なくどうぞ。



◆あとがき◆




 ――自分の名前、言えますか?

 
 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
 当作品は、作品集29ならびに30にある『霧雨 魔理沙は此処にいる。』の同系列です。
 パチュリーが愛情を果たすお話。あるいは、魔女による魔女のための魔女のお話。
 これもまた一つの、或る終わらない終焉の形。

 作品について。
 彼女がパチュリー・ノーレッジなのか、霧雨 魔理沙なのか、あるいは他の何かなのかなんてのは、誰にも分かりません。
 それこそ、本人にさえ、曖昧でしょう。
 ああ、でも。
 経験と体験と知識が――本を読むという行為が人間を作っていくなら。
 そこにいるのは人間じゃなくて一冊の本があるだけなんですよね、きっと。
 コピー&ペーストで埋め尽くされた本。誰かの模写をした誰かの模写をした誰かの模写をした誰かの模写。
 それは魔女だけじゃなくて、きっと全員がそうなのかもしれません。
 自分が誰か名乗れるのか。
 自分という本に、何という名前をつけるのか。
 さて、どうなんでしょう――というお話でした。


 ――本のタイトル、決めてますか?


BGM...Pulp Funy,Book Fuzzy.(No Music ver.)......END.....





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