1 霧雨 魔理沙は此処にいる。
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 湖の奥。紅色の館の、その地下。
 五百の齢を重ねる吸血鬼が統べる、紅魔館の深い深い奥。
 広くも狭くもない部屋に、フランドール・スカーレットはいた。
 部屋は広い。その広さは、面積の問題ではなく、物がないせいで広く感じるというだけだった。
 部屋には物がない。
 紅色のカーペットが、隅から隅まで敷き詰められた部屋。
 壁の色も紅く、足元も紅く、天井までもが紅い。部屋に窓がないせいで、一面の紅だった。
 唯一存在するドアの色も紅。
 そして、それ以外には、本当に何も存在しない。
 普通ならばあるはずのものが一切合財部屋にはない。
 眠るためのベッドも、部屋を照らすための電灯も、時間を潰すための本も、何かを書くための机も。
 おおよそ部屋に必要だと思えるものは何もなかった。
 紅く、何もない部屋。
 閑散とした部屋、遊び道具など何もない部屋。
 それでも、フランは楽しそうに笑っていた。部屋の中央にぺたんと女の子座りをして、楽しそうに笑っている。
 けたけたと、けたけたと。
 心の底から、楽しそうに笑っている。
 なぜならば。

「魔理沙、ね、魔理沙! 遊ぼ!」

 彼女は、今、独りではなかったから。
 495年を、独りで過ごしたフラン。それはもちろん、「一人」という意味ではない。
 彼女の館には姉がいて、客人がいて、メイドがいた。決して家に一人ではなかった。
 けれども、フランは独りだった。
 誰かと親しくなることもなく。
 誰とも話すこともなく。
 誰とも遊ぶこともなく。
 誰に笑いかけることもなく。
 誰に怒ることもなく。
 常に独り。
 何もかもを壊してしまうフランに、友達など、できるはずもなかった。
 紅霧の事件の後、あの黒白の魔法使いがくるまでは。

「魔理沙、何して遊ぶ?」

 フランは、笑いながら問う。
 彼女の前。壁にもたれかかるようにして座る魔理沙に。
 黒い帽子に白と黒の服。髪の毛だけが金色の魔法使い。
 彼女の顔は、楽しそうに、嬉しそうに笑っている。声も出さず、フランを見守るように笑っている。
 フランは笑い。
 魔理沙も笑う。

「今日は、あれしよう。魔理沙が教えてくれた、『ジグソーパズル』!」

 フランは笑い、地面に転がる欠片を手に取る。
 ピースを、小さな手で、拾う。
 そして、笑ったまま、その欠片を繋ぎ合わせようとする。
 ばらばらになった欠片を集めて、ひとつの綺麗なものを作ろうとする。
 その様子を、魔理沙は、微笑んで見つめている。
 フランは笑う。 
 フランが笑うのは当然だ。ついに、友達が出来たのだから。
 長い長い時間を経て、フランはようやく、遊び相手を見つけてたのだから。
 もう、雨でフランを閉じ込めておく必要はない。
 フランは今、無理に外に出たがろうとはしないのだから。
 外にあるはずだ、外のどこかにいるはずだ、と思っていた『友達』という存在は、今、フランの前にいるのだから。
 部屋を出る必要はない。
 霧雨 魔理沙は此処にいるのだから。
 フランは笑っている。
 魔理沙も笑っている。
 いつまでも、いつまでも、二人は笑っている。
 いつまでも。
 いつまでも。





        ◆





 霧雨 魔理沙が、紅魔館の奥深く、フランの部屋を訪れたのは、紅霧の事件が終わった数日後のことである。
 外は晴れ。霧に遮られることなく、陽光は眩しいばかりに湖と、紅色の館を照らしている。
 当然、館の主人は陽が届かないところで寝ている。
 実に吸血鬼として健康的な生活だった。
 が。
 吸血鬼以外――それはたとえば門番であり、妖精であり、魔法使いだったり人間だったりする――にとっては、この時間こそが最も活発に動く時間である。
 魔理沙がこの真昼間に紅魔館を訪れたのも、無理のないことではあった。

「――お邪魔するぜ」

 挨拶はそれだけ。
 門番は門を通し、メイドは案内をした。
 主人の野望を妨害するために来たのではなく、正門から来た客を受け入れるだけの懐の広さは紅魔館にもあった。
 来るもの拒まず、というほどでもないが、誰一人として立ち入れない、というほど酷くもない。
 本当に誰も入れたくなければ、結界の中でまた結界を張ればいいだけのことだ。
 どこかの隙間妖怪のように。
 けれども、主人であるレミリアはそんなことを望まなかった。たまに来る来客はいい暇つぶしになるし、こちらから出歩くことも多々ある。
 何より、完全に封鎖してしまえば血を吸うこともできなくなる。
 というわけで、今日も紅魔館は客を迎え入れた。
 黒白の魔法使いを。
 その魔法使いは紅魔館の住民にとっては顔見知りであり、襲撃でも泥棒でもないのなら立ち入りを拒む理由などなかった。
 ましてや、長い間閉じ込められていたフランと遊びに来てくれたのなら。
 長い長い紅色の廊下を歩きながら、メイド長が問う。

「何故?」

 簡潔な問い。仕事をこなす人間特有の、用件だけを問う質問。
 魔理沙もまた、簡潔に答えた。

「約束したからな」
「約束?」
「そう、約束だ」

 魔理沙は言って、足を止める。
 目の前には地下に続く階段。そして、その先には、頑丈そうな大きな扉がある。
 そこを見据えたまま、魔理沙は言った。

「嫁として巫女を紹介するつもりだったんだがな。肝心の巫女が嫌がってね――代わりに私が遊んでやろうかと思ってな」
「弾幕遊び?」
「さてね、妹様次第さ」
「ようするに、暇つぶしね」
「そうとも言うかもな」

 魔理沙は階段を降り、メイド長は降りなかった。
 まるで、ここまでが私の仕事だ、後は知らないと暗に言うかのように。
 小さく手を上げて後ろに立つメイドに礼を言い、魔理沙は扉を開けた。
 扉には、鍵がかかっていなかった。
 代わりに、雨にでも降られたかのように濡れていた。
 構わずドアノブを握り、魔理沙は一気にあける。
 ドアが軋む音は、いっさいしなかった。
 音もなく、静かに紅色の扉は開く。
 音はしなかった。
 音はまったくしないのに――開いた扉の先、部屋の中央に、何をするでもなく座るフランは、ゆっくりと振り返った。
 魔理沙の気配を感じ取ったかのように。
 振り返り、魔理沙を見るその瞬間まで、その顔に表情はなかった。
 感情がすっぽり抜け落ちてしまったような、透明な顔をしていた。
 魔理沙は思う。この前の時が特別だったのかもしれない、と。
 この前は特別に外に出られてはしゃいだだけで、普段、何も無い地下室に閉じこもっているときは、ずっとこんな顔をしているのかもしれない。
 それはとても辛く、酷く悲しいことだった。
 けれども、今は違う。
 開いた扉の先にいる魔理沙の姿を見て、フランの表情が変わる。

「よう――遊びに来たぜ」

 振り向いたフランに向かって、魔理沙は言う。
 紅い瞳がゆっくりと大きく広がり、来客者が姉でもメイドでも客人でも悪魔でも門番でもないことを、フランは視認する。
 最初に浮かんだ表情は、驚きだった。
 信じられない、とでも言いたげな顔。
 それもそうだろう、と魔理沙は思う。
 495年間。ただでさえ客の訪れることのなかった紅魔館。その中でも、フランに会うために来る客など、ほとんどいなかったに違いない。
 もしかしたら、一人として、フランのためだけに来た客など、いなかったのかもしれない。
 だから、驚くの、無理はないのだ。
 見開かれた瞳が、無言で、「本当に?」と尋ねてくるの、無理はないのだ。
 魔理沙は苦笑して、後ろ手に扉を閉め、呆然とするフランに言う。

「聞こえなかったのかい、フランドール・スカーレット。私はあんたと遊びにきたんだぜ」

 言って、魔理沙は扉に背をもたれかかり、頭に被った帽子を手でいじる。
 扉の内側は、まったく濡れていなかった。ただ紅いだけだった。
 血のように紅い。
 血に濡れたかのように、紅い部屋。
 そのなかで殊更、ひと際紅い少女に、魔理沙は微笑みかける。
 フランは、魔理沙の言葉を聞いて。
 フランは、魔理沙の笑いを見て。
 ようやく――
 ようやく、霧雨 魔理沙が、自分と遊びに来たのだと、悟った。
 表情は劇的に変わった。驚愕し惚けていたようなフランの顔。
 その顔に、喜色満面の笑みが浮かぶ。
 楽しそうな。
 幸せそうな。
 心の底からの笑みが、フランの顔に浮かぶ。母親に撫でられた子供のような純粋な笑み。
 笑い以外の感情が含まれていない、純粋な笑いだった。

「さて、何して遊ぶ?」

 笑みを浮かべるフランを見て、魔理沙もまた笑う。
 笑い顔の下。声には出さないものの、その心は、密やかに「来てよかった」と思っている。
 遊びにくるだけで喜ぶ。
 喜んでくれる、というのは、魔理沙にとっても嬉しいことだった。
 来たのが無駄にならず、楽しい時間が過ごせるのならば、それはそれは幸せなことだった。
 そのことを、口には出さない。
 あくまでも笑いを、照れ隠しのような笑いを浮かべている。
 少女の心は複雑で繊細なものだ。
 一方――複雑とも繊細ともかけ離れた、純粋で実直なフランは、ヒマワリのような笑顔を浮かべている。
 笑みを浮かべ、座った姿勢のままフランは跳んだ。勢いをつけるように色鮮やかな宝石がついた羽を動かし、手と足の力で、ぴょん、と宙に浮く。
 フリルのついた紅いスカートが、空気を受けて膨らんだ。
 短い金の髪が揺れる。
 音も立てずにフランは、細い右足を床につけ、左足がつくよりも早くもう一度跳んだ。
 魔理沙の前へと。
 ぴょん、と跳んで、今度は両足で着地する。慣性のままに羽が前へと揺れ、魔理沙の立つ横の壁にぶつかって、小さく澄んだ音をたてた。
 一拍遅れて、スカートが、はらりと元に戻る。
 壁に立つ魔理沙を、すぐ傍から見上げて、フランは言う。

「弾幕ごっこ! 弾幕ごっこしよう!」

 そう背の高い方ではない魔理沙よりも、頭一つはフランは小さかった。
 薄紅の帽子を乗せた顔が、楽しそうに見上げてくる。
 その紅い瞳は、星でも舞い散るかのように、きらきらと輝いていた。
 今からする『遊び』を、楽しみに待つ瞳。
 魔理沙がひと言頷けば、すぐにでも小さな手から弾幕を放つだろう。
 こんなに遊びたがっていたのか――そう魔理沙は苦笑し、

「おいおい、やりすぎてまた叱られるのは私はゴメンだぜ」

 言って、壁から背を離した。
 その勢いで前へと二歩歩く。一メートルとないフランとの距離を詰める。
 黄金の髪が、すぐそこにある。
 近すぎる距離から、フランを見下ろし、魔理沙は真下にある頭へと手を伸ばした。
 薄紅の帽子に守られた、黄金の頭。
 その髪をかきまぜるように、魔理沙がフランの頭を撫でる。
 大人が子供にするような、親愛の撫で方ではない。
 姉が妹にするような、少し荒っぽく、とても優しい撫で方。
 フランは「わ」と呟き、ぎゅ、と目を閉じた。
 撫でられたことなど、ほとんど無かったから、純粋に驚いたのだ。
 驚きは、やはり、すぐに消える。
 残ったのは、頭を撫でられる感触と、幸せそうに細められた目だけだ。
 気持ち良さそうな、心地良さそうなフラン。
 その顔を満足げに見て、魔理沙は手を離した。
 離れていく手を、フランは、名残惜しそうに見つめている。
 が、すぐに魔理沙がここに来た理由を思い出したのか、再び笑顔になってフランは問う。
 
「じゃあ、何するの」
「そうだな――」

 魔理沙は考え込む。
 遊び。
 特に何をしよう、と思ってきたわけではなかった。
 何かをしに来たのではなく、ただ遊びにきただけなのだから。
 弾幕ごっこも嫌いではない。嫌いではないが、目の前の相手とやると疲れる上、屋敷を壊してしまうだろう。
 かといって、吸血鬼の彼女と、外で鬼ごっこをするわけにもいかない。
 部屋の中で出来る遊びにしよう、と魔理沙は心中で決める。
 記憶の中、家の中で出来る遊びを、いくつも思い返し、頭に浮かべる。

「トランプとか、ダーツとか――」

 さらに考え込む。
 トランプはいい案だと思った。ただし、何一つとしてルールを知らないだろうフランに、一から教えなければいけないが。
 ダーツはマズい、と魔理沙はその案を頭の中にあるゴミ箱に捨てる。あんなもので遊んだら、弾幕遊びになりかねない。
 魔理沙はさらに考え、考え抜き、

 ――あ。

 それが頭に浮かんだのは、さしたる理由があってのことではなかった。
 ただ、遊び、という単語を元に、様々なものを連想していった魔理沙の頭の中、記憶の中。
 例えばそれは魔理沙の部屋であり。
 例えばそれは香霖堂の店内であり。
 そういった場所にある『遊び道具』が、ふと、魔理沙の頭の中に浮かんだのだ。
 深く考えることもなく、魔理沙はそれを口にした。

「――ジグソーパズルとか」
「ジグソウパズル?」

 奇妙な発音で、オウムのように問い返すフラン。
 その顔には、はっきりと、「なにそれ」と書かれている。
 魔理沙は首を傾げ、不思議そうな顔をして、

「知らないのか?」

 うん、とフランは頷く。
 一房垂れた髪の毛が、大きく揺れた。
 頷いて、フランは答える。

「お姉様、そういうことは教えてくれないもの」

 フランは言うのだ。
 遊んだことなんてない、と。
 そもそもそんな遊びは知らない、と。
 魔理沙は――答えなかった。
 遊びを知らない少女に、弾幕遊びしか知らない少女に、魔理沙は何も言わない。
 ただ黙って、帽子を目深に被りなおした。
 まるで、表情を見られたくないとでも言いたげに。
 下から見上げるフランからも、魔理沙の表情は見えない。
 魔理沙がどんな表情をしているのか、フランは知らない。
 悔しそうな、悲しそうな、やるせなさそうな――そういった、諸々が混ざり合った感情。
 その感情を必死に表に出さないように押し殺している表情は、フランには見えない。 
 顔を伏せていたのは、一秒にも満たない時間だった。
 そのわずかな時間の間に、魔理沙は、内心の動揺を、全て笑顔の下に押し隠していた。
 人差し指で帽子を上げて、魔理沙はフランを見下ろす。再びあげた顔は、笑い顔があった。
 魔理沙は笑っている。
 心の中で何を思っているかは関係なく。
 霧雨 魔理沙は、笑ったまま、フランに言う。

「ばらばらになった欠片を繋ぎ合わせて、一つに戻す遊びだよ。何回でも出来るし、暇つぶしにはなる」
「……?」

 魔理沙の説明に、フランは首を傾げる。いまいち分からないらしい。
 何も知らない、見たこともない相手に、言葉だけで説明するのは難しい。
 魔理沙はどう説明すればいいのか考え、考えあぐね、

「まあ、物は試しだ。やってみるとするか」

 結局、一番単純で、有効な方法を選んだ。
 論より証拠――ではなく、百聞は一見にしかず。そして、百度見るよりも、一度試す方がずっと早い。
 口で説明するよりも、実際に遊んでみる方が速いのだ。
 やったあ、とフランが両手を上げて喜ぶ。
 うし、と魔理沙は気合を入れる。
 何をするか決めてきたわけではない。
 遊ぶために来ただけなのだ。
 ならば、何から遊んでもいいだろうと、魔理沙は思うのだ。
 時間は長いのだから。
 少なくとも、ダーツをやって『百舌の速贄』や『針鼠』になるよりはマシだろう。
 ジグソーパズルなら、そう危ないことになるとは思えない。
 今日は楽しい一日になりそうだ――魔理沙はそう思う。その顔は、楽しそうに笑っている。
 幸せそうに、楽しそうに、魔理沙は笑っている。
 魔理沙は笑ったまま、踵を返し、扉に手をかけて言う。

「それじゃあ、レミリアかパチュリーの奴にでも頼むか」

 魔理沙の提案。
 その言葉に重なるように。
 その言葉を聞くよりも早く。
 フランは、大きく頷いて、言った。

「うん、やってみる!」

 振り向いて扉に手をかける魔理沙には、フランの姿が見えない。
 楽しそうに笑っているフランの顔が見えない。
 嬉しそうに笑っているフランの顔が見えない。
 幸せそうに笑っているフランの顔が見えない。
 笑ったまま、フランが、両手を鋭く閃かせたのを、魔理沙は見ることができなかった。





        ◆





 正直に言おう。
 フランドール・スカーレットは、何も悪くなかった。
 彼女は悪ではなく、また、悪いところなど存在しなかった。
 彼女は、知らなかった。
 彼女は、ただ知らなかっただけなのだ。
 誰も教えてくれず、誰も見せてはくれず――フランドール・スカーレットは、知らなかったのだ。


 人間とは、どういう存在なのかを。


 繰りかえし言う。
 フランドール・スカーレットは、悪くなかった。
 ただ、知らなかっただけなのだ。





        ◆





 日が沈むころ、紅魔館の主、レミリア・スカーレットは目を覚ました。
 上等な布で拵えられたベッド。その上で、レミリアは半身を起こす。
 東に向いた窓からは、昇りかけた月が見えた。
 この窓が西を向いていない理由はただの一つである。レミリアが目を覚ます時刻、丁度西に沈みつつある夕陽を見ずに済むからだ。
 あんなものを見てしまえば、一日を不機嫌なまま過ごさなくてはならない。
 再び東から陽が上るころには、窓のカーテンを閉めて、丸くなって深く眠りにつけばいいだけの事だ。
 まだ半分眠った眼で、レミリアは、窓の外に見える月を見る。
 綺麗な満月だった。
 月の光は心地が良い。太陽の光のように、無理矢理肌に突き刺すような強引さがないからだ。
 遠くで、優しく見守るような光だ。
 光は部屋へと入ってくる。窓を覆うはずのカーテンは、今は開かれている。
 月明かりに照らされる部屋の中。
 ベッドの傍ら。銀の髪を持つ少女が、銀の光に照らし出されていた。
 音もなく、気配もなく。メイド服の少女は、静かに、レミリアが起きるのを待っていた。
 レミリアは驚かない。彼女がいるのは当たり前のなのだから。
 十六夜 咲夜は、レミリア・スカーレットの従者なのだから。
 太陽が沈んだあとカーテンを開けるのも、レミリアを起こすのも、起きたレミリアの着替えをするのも、その後『朝食』の用意をするのも、全て咲夜の仕事だ。
 居て当たり前の存在が居て、驚く必要はない。
 レミリアは勤勉な従者に挨拶をしようと、何気なく咲夜の方を振り向き、

 その動きが止まった。

 レミリアの見つめる先、咲夜もまた、レミリアを見つめている。
 その顔に、表情はない。
 完全な無表情だ。
 笑ってもいない。怒ってもいない。悲しんでもいなければ、動揺をしていない。
 完全に瀟洒な態度。内心の動揺を表に出さない瀟洒な従者。
 その顔を、レミリアは見つめる。
 レミリアの眼は、もう眠ってはいない。
 完全に起きている。どころか、鋭く細められてすらいる。
 無表情のメイド。その立ち振る舞いの中にある只ならぬ雰囲気を、主人であるレミリアは嗅ぎ取っていた。
 何かがあったのだと分かった。
 そして、その何かは笑い事で済むようなことではなく、もう取り返しがつかないほどに終わってしまっているのだと、レミリアには分かってしまった。
 だから、レミリアは、率直に尋ねた。

「――何処?」

 十六夜 咲夜は、実直に答えた。

「――妹様のお部屋です」

 そう、とレミリアは頷く。
 それ以上、聞くべきことはなかった。
 ベッドから降り、咲夜に向かって手を差し伸ばす。
 それが合図だった。
 咲夜は最初の仕事を始める。紅色のネグリジェ姿の主。その服を脱がし、いつもの服に着せ替えるという仕事。
 レミリアは指一本たりとも動かさない。
 咲夜は丁寧に、落ち着いた動作で、けれど素早くレミリアの服を脱がす。
 一度として陽にあたったことのない白い肌。
 幼く白い肢体が、銀の月に映し出される。
 月の光は銀。
 けれども、その光に照らされる白い肌は、咲夜にはなぜか紅色に見えた。
 それはもちろんただの幻視だ。幻視にしか過ぎない。
 そして、現実味のある幻視は、現実と変わらない。
 この館にあるものは、全て紅色になってしまうのだろう。
 吸血鬼の統べる色に。
 血の色に。
 そんなことを咲夜が思ったのは一瞬にも満たない時間だけだった。すぐに仕事へと戻る。
 あらかじめ用意してあった、紅色の服を、レミリアへと着せていく。
 上から下まで。少したりとも乱れることのなく。
 最後に、少し開いた背中から、丁重な手つきで翼を取り出して――着替えは終わった。
 終わると同時にレミリアは歩き出す。何も言わない。
 言う必要ない。
 礼を言うまでも無く、彼女たちにとって、これは日常的なことなのだから。
 レミリアは長く長く長く続く紅色の廊下を歩く。
 その後ろを、咲夜は音も立てずに付いていく。
 三歩下がって、主の影を踏まないようにして付いていく。
 向かう先は、館の奥だ。
 紅の館の最奥、光すら届かなくなるほどに深い、深い紅色が集まる場所。
 フランドール・スカーレットの部屋だ。
 レミリアは足を止め、遅れることなく咲夜も足を止める。
 目の前には地下に続く階段。そして、園先には、頑丈そうな大きな扉がある。
 紅色の扉を、レミリアは鋭い眼で見据えている。
 昼間、霧雨 魔理沙が立った場所と同じ場所に立ち、同じように扉を見据えている。

「ここまででいいわよ」

 レミリアは言って、階段を降りる。
 咲夜は降りなかった。一歩、また一歩と沈んでいく主人の小さな背中を、ただじっと見守った。
 まるで、ここから先は姉妹の問題だ、とその背中は語っているかのようだった。
 レミリアは振り返ることなく、扉を開けた。
 扉には、鍵がかかっていなかった。
 代わりに、雨でも降られたかのように濡れていた。
 構わずドアノブを握り、レミリアはゆっくりと扉を開けた。
 ドアが軋む音は、いっさいしなかった。
 音もなく、静かに紅色の扉は開く。
 中には、音があった。
 紅色の扉の向こう、紅色の部屋。
 そこからは、楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
 扉のすぐそこから、笑い声が聞こえる。
 レミリアは中へと入り、無表情で、部屋の中を見回す。
 目当ての人物は、すぐそこにいた。
 レミリア・スカーレットの唯一の妹。495年間閉じ込めれていた妹が、フランドール・スカーレットが、扉のすぐ傍で楽しそうに笑っていた。
 その隣には、やはり、楽しそうに笑う黒白の魔法使いがあった。
 その名をレミリアも勿論知っている。つい最近、弾幕遊びをしたばかりだ。
 そして、暴れる己の妹を、抑えてくれた相手でもある。
 妹と遊びに来てくれたのだろうか。レミリアはそう思い、心の中で、魔理沙に礼を言う。
 笑う魔理沙に、口に出すことなく、心の中で頭を下げる。

「あ、お姉様! あのね、魔理沙が遊びに来てくれたの」

 扉の脇。
 血に濡れたかのように紅い床にぺたんと女の子座りをし、血に濡れたかのように紅い壁にもたれかかって座る魔理沙の手を握ってフランが言う。
 紅の姉を見上げて、紅の妹は笑いながら言う。
 紅の妹を見下ろして、紅の姉は笑うことなく問う。

「何をしているの?」

 笑ったまま、フランは答える。
 よほど楽しいのか、宝石のついた羽が無意識のうちに動いていた。
 動くたびに色々なところにあたり、からん、こつん、ぺちゃりと音を立てる。

「『ジグソーパズル』っていう遊び」

 レミリアは瞳を閉じ、頭の中で考える。
 ジグソーパズル。
 ピースを、欠片を組み合わせて、一つの絵を作る遊び。
 成る程、と納得する。それで、全ては解決した。
 フランと魔理沙が、何をしているのかも。
 二人で楽しそうに、何を遊んでいるのかも。
 納得した。
 そして、もはやどうしようもないことを、レミリアは悟った。
 フランは笑っている。
 魔理沙も笑っている。
 二人は、楽しそうに遊んでいる。
 もはや、レミリアに出来ることは、何一つとしてなかった。
 運命を操る程度の能力を持つレミリアでさえ、もはや、どうすることもできなかった。
 紅魔館の主人としてできることなどない。
 ただ、姉として、言えることは一つだった。

「――――そう。友達が出来て、良かったわね」

 その言葉に嘘偽りはない。
 レミリアにとって、心の底から出た、本心だった。
 その言葉を聞いて、フランは姉を見上げ――笑って、大きく頷いた。

「――うん!!」

 満面の笑み。
 その笑顔は、今までで一番いい笑顔だった。
 世界中の幸せを一心に集めたような、紅色の笑顔だった。
 レミリアは心の中でもう一度呟く。

 ――よかったわね、フランドール・スカーレット。友達ができて。

 そして、心の中でだけ、付け加える。

 ――それが、貴方の最初の友達。そして、最後の友達よ。

「お姉様、魔理沙と遊びに行ってきていい? 外で弾幕遊びしていい?」

 笑いながら問うフラン。
 声は喜色で満ちている。魔理沙と色々なことをして遊びたい、魔理沙と色々なところに行きたい、魔理沙に色々なことを教えて欲しい、魔理沙に色々なことをしてほしい。
 そんな、希望に満ちた問い。
 その問いに、レミリアは即答した。

「駄目よフラン」

 迷うことなく、懇願を、斬り捨てた。
 拒絶にすら近い姉の言葉に、フランは戸惑う。
 まさか、こんなにもはっきりと駄目と言われるとは思っていなかったのだ。断られるにしても、少しは考え込むかと思っていたのに。
 紅の瞳が、不安げに揺れる。
 けれども、レミリアは前言を撤回しなかった。

「貴方は、外に出てはいけないわ」
「どうして……? どうしてなの、お姉様」

 フランの、戸惑った、悲しみすら混じる声。
 レミリアは、今度は即答しなかった。
 即答、できなかった。
 魔理沙と楽しそうに遊んでいたフラン。
 そんなフランを見るのは初めてだった。
 けれど、それとこれとは話が別だった。
 ――否。
 楽しそうだからこそ、はっきりと、言わなければいけなかった。
 レミリアは、フランの瞳を、正面から見つめる。
 レミリアの顔に悔やむような色はない。
 レミリアの顔に悩むような色はない。
 ただ、微かに、あるいは幽かに、悲しそうな顔をしているだけだ。
 どうしようもないものを見て、どうにもならないことを知って、それでもどうにかしたくて、それが無理だと気づいたときのような。
 何かを諦めたような、悲しそうな顔だった。
 もはや、それ以上、どうしようもなく、言えることなど、何も残ってはいなかった。
 その表情を隠すことなく、レミリアは言う。

「どうしても、よ。お部屋で魔理沙と遊んでなさい」

 返事を、レミリアは待とうとしなかった。
 不服そうな顔をするフランの顔を、レミリアは見ようとしなかった。
 見ることなく。
 振り返ることなく。
 レミリアは、扉の外へと、出て行った。
 音もなく、扉が閉まる。
 扉は全てを遮ってしまう。
 扉の外で流れ始める雨も、扉の外のレミリアの言葉も、何もかもを扉は遮ってしまう。
 フランには、何も届かない。
 部屋には静寂が戻り。
 フランと、魔理沙だけが、そこに残された。





        ◆




 フランは、悪くないのだ。
 フランを責める資格など誰にもありはしない。責めるべきなのは、教育というものを怠った周りの存在だろう。
 鳥は、生まれた瞬間から飛ぶわけではない。
 魚は、生まれた瞬間から泳ぐわけではない。
 人は、生まれた瞬間から人間なのではない。
 母の姿を見て飛ぶのを憶える。
 父の姿を見て泳ぐのを憶える。
 人だと教えられて人間になる。
 そうでなければ、それは、ただの肉の塊に過ぎない。
 周りから何かを入れなければ、知性は育たない。情緒が育むこともない。
 フランは、悪くないのだ。
 そうだろう。誰も教えてくれなかったのだから。
 暗い暗い地下室、豪雨に包まれ、出ることの叶わなかった地下室。
 生まれつき持った、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力。
 紅色の館に住むただ一人の姉。
 そこに愛情がなかったわけではない。
 フランは姉を慕っていたし、姉もまた、フランを虐待するようなことはしなかった。
 むしろ、見かたによっては愛してやったとも言える。
 何も壊すことのないように地下室を与えて。
 飲みやすいように料理した『モノ』を与えて。
 歯止めがきかない破壊力を止め、気がふれた行動が何にも触れないようにして。
 他人のそれとは違っても、それは、確かに愛情だったのだろう。
 愛を受けてフランは生まれた。
 愛情を与えられて、フランは生きてきた。
 けれども、それは、成長ではない。
 人は愛されるだけでは育たないのだから。
 愛を与えられ。
 壊すことでしか返せないフラン。
 その生き方は、紅の館の奥、地下室でしか通用しないものなのだから。
 だから。

「――よぉ、フラン。遊びに来たぜ」

 地下室の外。
 紅魔館の外。
 フランとは理の違う、外の世界のモノが流れ込んできたとき。
 生体倫理常識概念全てが違う二人の少女が、何もない地下室でめぐり合ったとき。


 静かな世界は、穏やかに崩壊した。





        ◆






 湖の奥、紅色の館の、その地下。
 五百の齢を重ねる吸血鬼が統べる、紅魔館の深い深い奥。
 広くも狭くもない、紅い紅いその部屋に、フランドール・スカーレットはいる。
 何もない、血に濡れたように紅いだけの部屋。
 その部屋の中で、フランは楽しそうに笑っている。
 けたけたと、けたけたと。
 心の底から、楽しそうに笑っている。

「魔理沙、ジグソーパズルって楽しいね!」

 笑って、フランは魔理沙に話しかける。
 魔理沙は笑ったまま、そのフランを見守っている。
 姉に『外に出てはいけないよ』と言われたとき、フランはかすかに不機嫌になった。
 別にいいじゃないか、と。
 外で魔理沙と遊んでもいいじゃないか、と。
 けれども、慕う姉の言うことなのだ、何か理由があるに違いないとフランは納得した。
 何よりも、魔理沙は此処にいる。
 わざわざ外に出て行く必要はなかった。
 遊び相手は、紅の部屋の中にいるのだから。

「でも――一つにするのは、難しいね」

 フランは言い、手にもった欠片と、床に落ちている欠片を繋ぎ合わせる。
 が、うまくいかない。二つの欠片は断面が異なるのか、うまく一つにならなかった。
 どうくっつけても、ぽろりと落ちてしまう。
 お姉様なら簡単に出来るのにな、とフランは思う。
 が、フランは姉ではなく、魔理沙も姉ではない。
 できる範囲でやるしかないのだ。
 それにこれは遊びなのだ。必ずしも完成する必要はない。
 魔理沙と楽しめれば、それでいいのだ。
 フランは笑い、魔理沙も笑う。
 ジグソーパズルは、完成しない。
 それもそうだろう。
 物を壊すのは簡単で。
 元に戻すのは難しいのだ。
 ジグソーパズルに限ったことではない。全ての物事はそうだ。
 壊すのは簡単で、直すのは難しい。
 フランドール・スカーレットにとっては、とくにそうだ。
 ありとあらゆるものを破壊する程度の能力。
 そんな力があれば、壊すのは簡単だろう。
 完成した一枚の絵をばらばらにして、百のピースに分けることなど、造作もないだろう。
 けれど、逆はない。
 フランは、ありとあらゆるものを壊してしまう。
 そこに、直すという要素は、一切含まれていない。
 だからこそ、いつまでたっても、ジグソーパズルは完成しなかった。
 壊れたものを、直すことが、フランには出来なかった。
 フラン以外の、誰にもできないだろう。
 どうしようないほどに、それは壊れてしまったのだから。
 どうしようもないほどに――バラバラなのだから。

「魔理沙は、ジグソーパズル得意?」

 フランの問い。
 純真な問いに、魔理沙は答えない。
 何も喋ることはない。
 ただ黙って、微笑んだまま、フランを見つめている。
 魔理沙は笑っている。
 けれども、動くことも喋ることもない。表情が笑み以外に変わることもなく、弾幕を放つこともない。その手がフランの頭をなでることもない。
 瞬きすらしない。
 心臓の鼓動も、呼吸もない。
 そのことをフランは不思議に思わない。
 吸血鬼であるフランは、何も疑問に思わない。
 何も教えられていないフランは、疑問という存在すら知らない。
 ただ、楽しそうに笑うだけだ。 
 紅の館の奥、紅の部屋。
 その部屋はどこまでも紅い。天井も、床も、壁も、全てが紅い。
 血に塗られたように紅い。
 その中の一角に、ひと際紅いところがあった。
 今、魔理沙とフランが座るところだ。
 そこだけが――他よりも、ひと際紅い。ペンキ塗りたてのように、艶のある、綺麗な紅色だった。
 壁はまだらに紅く。
 床には、歪んだ円状に、紅が広がっている。
 部屋は、血に濡れたように紅く。
 そこは、血に濡れて紅い。

「楽しいね、魔理沙」

 声に嘘はない。
 魔理沙と遊ぶフランは、本当に、楽しそうな笑みを浮かべている。
 魔理沙もまた、笑みを浮かべている。
 体から切り離された顔が、ばらばらになった自分の体と、その体で遊ぶフランを見て、楽しそうに笑っている。
 最後に浮かべた笑い顔のまま、魔理沙は、フランを見守っている。
 その瞳に、もはや、命の色はない。意識の色はない。
 それでも、魔理沙は笑っていた。
 笑ったまま、笑いから表情を暇もないままに、壊れてしまったのだから。

「楽しいね――」

 それでもフランは笑っている。
 魔理沙と遊ぶフランは、楽しそうに、幸せそうに笑っている。
 彼女は知らない。誰にも教えてもらったことがなかったから。
 人間がどういうものなのか、フランは知らない。
 壊したら死んでしまうことも、ばらばらになったら生きることなどできないことも、フランは知らない。
 教えてもらっていないから。
 人間と触れ合っていないから。
 死体と人間の区別が、紅茶と人間の区別が、フランにはつかない。
 分かっていることははっきりしている。
 魔理沙が此処にいて、一緒に遊んでいる。それだけのことだ。
 魔理沙は言った。
 ジグソーパズルとは、ばらばらになった欠片を繋ぎ合わせて、一つに戻す遊びだよ、と。
 だから、フランはジグソーパズルで遊んでいる。
 ばらばらに壊した魔理沙の身体の欠片。それを繋ぎ合わせて、一つに戻そうとしている。
 そうすることで、再び魔理沙が完成し、動き出し、また撫でてもらえると信じているかのように。
 フランは知らない。
 ばらばらになった人間が、もう一度一つになることなど、決して無いことをフランは知らない。
 人間は、死んでしまったらそれで終わりなのだと、フランは知らない。
 誰にも教えてもらわなかったから。

「楽しい、ね――」

 フランは笑う。
 楽しそうに。
 幸せそうに。
 愛情を受けて、何も教えられず育ったフランは、不幸が何かを知らない。
 何も知らない。
 幸せなことしか、フランは知らなかった。
 だから――フランは笑っている。
 笑って、遊んでいる。
 レミリアの出て行った部屋。
 フランと魔理沙は遊んでいる。
 楽しそうに遊んでいる。
 幸せそうに遊んでいる。
 ただ一つだけ知る遊びを。
 魔理沙が教えてくれた遊びを、いつまでも、フランは繰り返している。
 弾幕を出さない遊びを、フランは繰り返す。
 決して完成しないパズルで、いつまでも、いつまでもフランは遊んでいる。
 いつまでも。いつまでも。
 いつまでも。
 いつまでも。
 いつまでも――

 いつまでも、フランドール・スカーレットは笑っている。

 楽しそうな、楽しそうな笑い声だけが、地下室に響き続ける。
 その響きに、魔理沙の声が混ざることは、二度とない。
 それでも、フランは幸せだった。






 なぜならば――









 ――霧雨 魔理沙は此処にいる。










                                                       (......END?)



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↑作品を面白いと感じた方、押していただければ幸いデス↑
 次回のやる気につながりますので……感想、ひと言遠慮なくどうぞ。



◆あとがき◆



……最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
当作品は、『小さな涙』の対極にして『霧雨 魔理沙は此処にいる。』(アリスバージョン)の同系列です。
すでにどこかにありそうな気もする、フランドール・スカーレットが幸せを得る話でした。
『教育』が遅ければ、運が悪ければ、あるいは運命が悪ければこうなっていたという話。
これもまた一つの、或る終わりの形。


作品について。
当人が満足ならそれでいいことだ、と青い狸が言って。
誰かが愛してくれるから幸せなんだ、と白い狐が言いました。
幸せかどうか決めるのは本人だけの問題で、フランは幸せなんだろうと思います。
巻き込まれた魔理沙にとってはたまったものではないでしょうが。
誰かの幸せか誰かの不幸せになるゼロ・サムな話。



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